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【特集】USS Research Memo(9):オートオークション市場の出品台数シェア拡大を目指す成長戦略


■中期成長戦略

中期成長戦略として、ユー・エス・エス<4732>はオークション市場の出品台数シェア拡大を目標として掲げている。当面は既存会場だけで35%まで引き上げ、その後はM&Aなども活用しながら、更なるシェア拡大を目指していく戦略だ。シェア拡大施策としては、前述した価格戦略(会場規模や地域の需要に即した手数料体系の見直し)に加えて、拠点戦略、ネットワーク戦略を掲げている。

(1)拠点戦略

拠点戦略としては、名古屋会場に6,000台規模の7階建て立体ストックヤードを新設し、2016年2月に稼働予定となっている(設備投資額は約82億円)。また、立体ストックヤードの稼働によって空いた平面駐車場のスペースに、低価格車専用オークション会場であるUSS-R名古屋会場を新築移転し、2016年12月までに稼働を開始する予定だ(設備投資額は約25億円)。USS-R名古屋会場では現在、ストックヤードが手狭で近隣地を賃借している。これら賃借料や会場までの運送費、人件費など合わせると年間220百万円の費用が発生しており、これら費用が名古屋会場敷地内への移転によって削減できることになる。

また、その他の老朽化が進んでいる会場においても新築建替えを進めていく計画となっている。静岡会場では同じ敷地内で建替えを行い、2016年5月に稼働予定となっている(設備投資額は約25億円)ほか、北陸会場についても会場移転用地(石川県白山市)を新たに取得し、2016年中の稼働を予定している。また、札幌会場では現在、収容規模なども含めて建替えの計画を進めており、2017年3月期中には着工に入る予定となっている(設備投資額35億円)。

これら以外にも、東京会場のシステム更新を検討しているほか、4年後には群馬会場の新築建替えも計画している。その他のオークション会場でも、会員の利便性向上に向けた設備の更新投資を実施していく方針で、来場者数の増加及び出品台数の増加につなげていく考えだ

このため、設備投資額は2016年3月期に100億円を計画しているほか、2017年3月期も高水準が続く見込みで、2017年3月期の減価償却費は今期見込み比で5?10億円程度増える可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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