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2016年01月12日16時02分

【特集】アドバネクス Research Memo(2):医療機器用の精密ばねと航空機・自動車向け締結用補強部品が主力


■会社概要

○事業内容
精密ばねの大手であるアドバネクス<5998>は、2015年3月期の売上高が29,487百万円、事業別構成比は精密ばね事業が59.8%、プラスチック事業が40.2%であった。しかし、期末にプラスチック事業を行う第一化成ホールディングス(株)(以下、第一化成)の残りの保有株式を譲渡したため、2016年3月期からは精密ばね事業専業となる。

○会社沿革と事業の経緯
1930年に初代社長が東京都にスプリング専門工場を設立して創業した。1946年に株式会社に改組し、社名を株式会社加藤スプリング製作所に、2001年に現在の株式会社アドバネクスに変更した。1964年に東証2部へ新規上場を果たし、2004年に東証1部へ指定替えとなった。

生産拠点としては、1976年に現在の主力工場となっている柏崎工場(現新潟工場)を建設した。その後、2008年に大分工場、2009年に青森工場、2015年に千葉工場と宮城工場を開設した。2015年11月に、自動車向けの専門工場を埼玉県本庄市に竣工した。新潟工場から生産設備を移送して、2016年1月の稼働を予定している。

1980年代以降、世界的なヒットを飛ばし、トップシェア製品を輩出した。音楽テープ用テープパッド(国内シェア70%)、ビデオテープ用リーフスプリング(世界シェア50%)、3.5インチフロッピーディスク用シャッター(世界シェア80%)、携帯電話用ヒンジ(世界シェア50%)、光ディスク用センターハブ(国内シェア90%)などである。現在は、医療用の留置針用ばねで国内シェア60%を獲得している。

海外への進出も早く、1971年に米国に子会社を設立した。その後、海外子会社は、シンガポール、英国、香港、タイ、中国、ベトナムに開設された。1988年に設立された英国の子会社は、圧倒的な世界シェアを誇ったフロッピーディスク用シャッターの欧州向け生産拠点の役割を与えられた。同子会社は、英国国内の有力ばねメーカーを買収し、2工場体制を取っている。現在の主力製品は、医療機器用の精密ばね製品及び航空機産業や自動車市場向けの締結用補強部品になる。グループ会社の中で、最も高い収益性を上げている。

同社グループは、選択と集中の一環としてヒンジ事業、モーター事業、プラスチック事業から撤退もしくは事業を売却した。現在の中期経営計画では、「金属加工総合メーカーへの挑戦」を目標として掲げ、業界トップレベルの精密ばね事業に特化している。プラスチック事業を行う第一化成を手放したが、同社のオリジナル事業である金属プレスと樹脂射出成形を組み合わせて製造するインサート成形部品は残した。一方、金属プレス加工分野で日本一の細物深絞り加工技術を有する船橋電子を買収し、2015年4月に事業統合を行った。深絞り加工技術は主に千葉工場、宮城工場で生産を行っているが、新設する埼玉工場での生産に加え、ゆくゆくは中国や英国などの海外工場でも展開する。同社グループの金型技術機械設備の相互利用、営業力や資材調達力を活用することによりグループ・シナジーを創出する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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