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【経済】NYの視点:【1/5IMM】円が3年ぶりの買い持ちに転じる、世界リセッション警戒感


シカゴIMM、投機・投資家筋のポジションで新年1月5日付けのネットの円持ち高は、2012年10月以降ほぼ3年ぶりの買い持ちに転じた。中東情勢の緊迫化、中国の経済・金融市場の混乱を受けて世界経済への懸念にリスク回避の円買いが一段と強まるとの見方が背景にある。また、米国経済への影響も避けられないとの見方も強まりつつある。

今後のドルの行方を探る上で鍵を握る米国の利上げペースを判断する上で重要な材料のひとつ、12月の雇用統計は非常に良好な結果となった。一方、米国商務省が8日に発表した卸売在庫・売り上げ高は大幅に予想を下回り、売上高在庫比率は金融危機の2008年以来で最高となったほか、2001年の景気後退時の水準に並んだ。製造業の悪化が経済全般に波及している兆候も一部に見られ、米国経済が2016年に景気後退(リセッション)に陥るとの警戒感は払拭しきれないまま。金融各社のエコノミストによる昨年10-12月期のさらなる国内総生産(GDP)の成長率見通し引き下げが予想されている。

来週は、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表する1月の連邦公開市場委員会(FOMC)の材料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)、12月小売売上高、さらに生産者物価指数(PPI)で米国経済の状況を判断する。また、連銀高官の講演内容が相場材料となる。

さらに、2015年に続き鈍化が明確化している中国経済について、貿易、輸出、輸入の結果次第ではリスクオフの動きに一段と拍車がかかることが警戒される。


●米国
11日:12月労働市場情勢指数、ロックハート・アトランタ連銀総裁は経済見通しや金融政策、カプラン米ダラス連銀総裁は経済状況や金融政策に関して講演
12日:ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁が見通しに関して講演、米11月JOLT求人労働移動調査、オバマ米大統領一般教書演説
13日:米連邦準備制度理事会(FRB)が地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表、ローゼングレン・ボストン連銀総裁が経済見通しに関して講演、エバンス・シカゴ連銀総裁が経済、金融政策に関して講演
14日:ブラード・セントルイス連銀総裁が講演
15日:ダドリーNY連銀総裁が講演、12月小売売上高:予想前月比+0.1%(11月+0.2%)、12月生産者物価指数(PPI):予想前月比-0.1%(11月+0.3%)、前年比-1.0%(11月-1.1%)

●中国
13日:12月貿易収支:予想+521.5億ドル(11月541億ドル)、輸出:予想前年比-8.0%911月-6.8%)、輸入:予想前年比-11.0%(11月-8.7%)

●日本
12日:11月国際収支(予想8950億円黒字、10月1兆4584億円黒字)
14日:11月の機械受注(予想前月比-7.3%、10月+10.7%)

●地政学的リスク
ウクライナ紛争
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン


【IMM】

*日本円
ネット・円買い持ち:4,103(1/5)←円売り持ち:-17,226(12/29)(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)

*ユーロ
ネット・ユーロ売り持ち:-160,643(1/5)←ユーロ売り持ち:-160,550(12/29)(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)

*ポンド
ネット・ポンド売り持ち:-30,496(1/5)←ポンド売り持ち:-31,022(12/29)(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)

*スイスフラン
ネット・スイスフラン買い持ち:3,620(1/5)←スイスフラン買い持ち:3,564(12/29)(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)

*加ドル
ネット・加ドル売り持ち:-60,130(1/5)←加ドル売り持ち:-60,787 (12/29)(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)

*豪ドル
ネット・豪ドル売り持ち:-13,761(1/5)←豪ドル売り持ち:-17,545(12/29)

《NO》

 提供:フィスコ

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