【特集】日本アジア投資 Research Memo(7):業績指標として営業総利益に注目することが妥当
■業績推移
(1)業績を見るためのポイント
一般の事業会社の売上高に当たるものが営業収益であり、投資業務における回収額(営業投資有価証券売却高)のほか、配当収入(インカムゲイン)やファンド業務における運営報酬などによって構成される。ただ、その大部分を占めている営業投資有価証券売却高は、投資額(取得原価)を上回ってこそ利益が創出されるものであるため、営業収益が増えたからといっても必ずしも業績が向上しているとは限らない。
したがって、日本アジア投資<8518>の業績指標としては、取得原価などを差し引いた投資損益や配当収入(インカムゲイン)、運営報酬などを足し合わせた営業総利益に注目するのが妥当であると考えられる。なお、営業総利益は、投資先の業績悪化や株式市場の低迷による営業投資有価証券評価損や投資損失引当金繰入額を反映しているため、それらが期間損益の大きな下振れ要因となっていることにも注意する必要がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
《HN》
提供:フィスコ