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【特集】3Dマトリックス Research Memo(2):Maquet(マッケ)とオーストラリア地域での販売権許諾契約を締結


■業績動向

(1) 2016年4月期第2四半期累計の業績概要

12月15日付で発表されたスリー・ディー・マトリックス<7777>の2016年4月期第2四半期累計の連結業績は、事業収益が52百万円、営業損失が980百万円となった。

事業収益としては、主に止血材の欧州、香港における販売で23百万円、韓国のDaewoong Pharmaceutical Co., Ltd.(以下、デウン)とのASEAN地域(タイ、ベトナム、フィリピン)における止血材の独占販売権許諾及び、インドネシアでの非独占販売権許諾に伴う契約一時金収入で29百万円を計上した。止血材の販売に関しては、第1四半期に英国、ドイツの医療施設へ現地のホールセラー(販売代理店)を通じて販売を開始したのに続き、第2四半期にはスイスやフランス、スペインでも代理店を通じた販売を開始した。主に前期までに臨床使用を行ってきた医療施設への納入が進んでおり、医療現場で同社の止血材が浸透し始めている。会社計画に対しては欧州、南米の計画がやや遅れ気味ではあるものの、下期以降の挽回が十分可能な範囲となっている。

研究開発費は、国内の粘膜隆起材など臨床試験費用が減少していることもあり、前年同期比80百万円減の341百万円に、また、販管費については海外子会社の体制強化に伴う人件費増などを主因に同47百万円増の630百万円となった。四半期純損失は前年同期に特別損失160百万円を計上したのに対して、当期は新株予約権戻入益48百万円を計上したこともあって、217百万円縮小の930百万円となった。

また、第2四半期(2015年8月?10月)の新たな進捗としては、10月にオーストラリアのMaquet Australia Pty Ltd(以下、マッケ)※と止血材のオーストラリアでの販売権許諾契約を締結したこと、及び11月にブラジルで止血材の医療機器製品登録が承認されたことが挙げられる。一方で、第2四半期をめどに臨床試験の再申請を目指していた国内の止血材については、PMDAとの協議が長引いており、申請時期がズレ込むこととなった。
※マッケオーストラリアはマッケグループのオセアニア地域を統括し、手術室などで用いられる医療機器全般の販売を世界で展開しているGETINGE GROUP(年間売上規模約2,000億円)の最大の子会社。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SF》

 提供:フィスコ

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