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【材料】【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家夢見る父さん氏:いよいよ貯蓄から投資の年になるか


以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家夢見る父さん氏(ブログ「夢見る父さんのコツコツ投資日記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2016年1月4日23時に執筆

皆さんあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。大発会で日経平均が500円以上も下げ、波乱を予感させる2016年の相場ですが、僕はいよいよ今年、「貯蓄から投資へ」の移行が本格化すると思います。

もともと「貯蓄から投資へ」という言葉は、2001年に当時の小泉純一郎内閣の骨太の方針で話題になりました。しかし、それから15年たっても、日本人は投資へシフトしようとしません。日本証券業協会が昨年11月に発表した調査によると、76%が「投資は必要ない」と答えていました。

でも、今年こそ大きな転換期になると感じています。理由は3つあります。

第一に、日本人はもともと株が嫌いでなかったということです。日銀の資金循環統計によると、バブルの真っ最中の1988年度末には家計の金融資産に占める株式・出資・投信の割合は27.5%に達します。これは現在のヨーロッパよりも多い比率です。ところが、バブル崩壊後の長引く株価低迷で、「株に手を出したら損する」という認識が日本人の常識になりました。この結果、リーマンショックのあった2008年度末には、わずか9.0%と3分の1に減りました。それが、アベノミクスが始まって以来、4年連続で日本の株価は上昇したこともあり、昨年には15.1%まで戻しています。新聞やテレビでも「株を買っても損をしない」という認識が徐々に広がっており、いよいよこの比率は高まっていくとみています。

第二は、安倍内閣の掲げる「1億総活躍社会」です。はっきりいって、これは少子高齢化への対策で、これまで国が老後の面倒をみる公助に頼っていた日本で、自助努力が必要だと打ち出した福祉政策の一大転換です。公助だけでは老後の生活は大変だということで、高齢者の労働参加がますます奨励され、再雇用などで70歳まで働ける環境も整っています。一方、家計を守る自助努力の手段として、投資がますます注目されるでしょう。

昨年、「下流老人」という本がベストセラーになりました。著書の藤田孝典さんは、貧困問題解決のNPOに携わる専門家。これまで、金融関係者から老後が大変だから対策をとらなければという本は多数ありましたが、福祉の現場を知っている人が、このままでは高齢者の9割が下流老人になる危険があるという警鐘を鳴らした意味合いは大きいです。「下流老人」では、政府や社会へ対策を求めていますが、自己防衛策も大切だとしています。貯蓄を勧めていますが、株や投資信託も含めて他の専門書を読んで、自分に合ったものを選ぶことを奨励しています。こうした高齢社会対策という観点からも投資へのシフトが起きると思われます。

第三はオオカミ少年っぽいですが、黒田日銀がやっきになっているマイルドなインフレがそろそろ起きても不思議ではないと言うこと。今、政策的に金利は低く抑えられているので、インフレ率2%でも、預金はどんどん目減りしていきます。そういう事態が迫れば、目先の利く人は、投資へシフトしていくでしょう。

株価が上がれば、投資へシフトして利益がでた人は周囲に自分の体験を話すことも十分ありえます。市場の予想はプロでも当てにできないのですが、年央に参院選、場合によっては衆参同日選が行われます。さらに、争点として消費増税再延期が考えられます。現在の安倍内閣の支持率は株価と連動しているといわれることから、選挙に向けて、政府・日銀はさまざまな景気対策や株価下支え策を打つと想定されます。そうなれば、貯蓄から投資へのシフトは強まっていき、資金が流入することで、株価はますます上昇していく。なにしろ、預貯金は900兆円あるわけですから、その数%が投資へ流れるだけで、昨年話題となった公的マネーよりも巨額の資金が流入するわけです。

そう考えると、海外要因などでボラティリティが高そうといえども、今年の市場の行方はポジティブに考えています。

なお、予想はプロのアナリストでも外します。素人の勝手な予想なので、投資は自己責任で。なお、インデックス投資に関心のある方は夢見る父さんのブログをご覧ください。

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執筆者名:夢見る父さん
ブログ名:夢見る父さんのコツコツ投資日記

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