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【経済】中国:メルセデス車のリコール頻発、現地生産モデルで8割占める


独高級車メルセデス・ベンツ車に関して、中国でのリコール(回収・無償修理)が頻発している。国家質量監督検験検疫総局(質検総局)の統計によると、今年だけでも12回を数え、各自動車ブランドの中で最多だった。しかもリコール対象車は、中国産モデルに集中。メルセデスが進める“中国現地化戦略”が品質低下につながったのではないか??との声が一部消費者や業界関係者の間で聞かれている。証券日報が25日付で伝えた。  メルセデスの中国法人が今年に入って自主回収を行った自動車は、合計で17万3632台(回収台数を通知しなかった11月2日発表のリコールを除く)。そのうち、中国現地生産車は、実に8割を占めた。  中国現地生産化に乗り出すに当たり、メルセデスを含む多くの海外自動車メーカーが「生産場所が変わるのみで、品質に変化はない」と強調してきた。しかし業界関係者は、「足もとの状況でみれば、“中国産化”推進過程での品質低下は認めざるを得ない」と指摘する。  同関係者によれば、外資合弁自動車メーカーが中国国内で行う品質管理は、本拠地を含む海外でのそれと一定の開きがある。コスト圧縮の圧力にさらされるなか、中国産車の部品は、その多くが現地調達されてきた。しかし相対的に廉価な中国産部品は、品質面で劣るのが現状。実際、中国で調達された自動車部品は、海外産に比べて不具合発生率が高いという。  頻発するリコールは、メルセデス車の中国販売にも影響を及ぼしているようだ。今年リコールが相次いだメルセデスの主力車種「Eクラス」は、直近3カ月の平均月間販売台数がそれぞれ4979台、4147台、5234台に低迷。競合するアウディ「A6L」、BMW「5シリーズ」を下回って推移した。販売台数がBMW「5シリーズ」の3分の1にとどまった月もある。今年累計販売でみても、「Eクラス」は足元で5万4200台と、「A6L」(13万6300台)、「5シリーズ」(13万6300台)に大きく水をあけられた。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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