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【特集】【中国の視点】農民の住宅購入奨励、在庫急増で政府に焦り


中国政府はこのほど、戸籍制度の改革案を承認した。これにより、農民(農村戸籍の保有者)による都市戸籍の取得が加速し、都市部への移住を通じて住宅に対する需要が大幅に増加すると期待されている。

政府が戸籍改革を急ぐ理由のひとつについて、膨大な住宅在庫を解消させなければ、不良債権の大幅増や金融システムの安定が脅かされる恐れがあると指摘されている。

統計によると、中国の住宅在庫を消化させるには、現在の販売ベースで計算すると約23カ月が必要になるという。また、全国の世帯平均の住宅保有戸数は1.1戸と報告され、住宅市場の飽和が明らかである。

専門家は、こうした膨大な住宅在庫を消化させなければ、中国経済の安定成長が脅かされると警告。また、成長モデルの転換に伴い、大量の農民を都市戸籍に変更させる必要もあると強調した。そのため、農民の市民化推進が不可欠だと指摘した。

ただ、住環境だけでなく、安定した収入の確保、教育資源や福祉の公平性を維持させなければ、安定した社会の構築が困難だと警告した。また、一般市民の購買力をはるかに超えている高い不動産価格を引き下げなければ、中国の競争力を一段と低下させる恐れがあるとの見方を示した。
《ZN》

 提供:フィスコ

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