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【通貨】欧米為替見通し:ドルはしっかり、米利上げ受け買い安心感


今日の海外市場では、ドル・円はしっかりの展開となりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)が市場の予想通り利上げに踏み切ったことと、2016年以降の利上げペースに関して市場が「タカ派」的と受け止めたことが背景。ただ、日銀による追加金融緩和の先送り観測や原油安が上値を抑える可能性がある。

FRBは日本時間17日未明、連邦公開市場委員会(FOMC)で現行の政策金利(FFレート)を0.00-0.25%から0.25-0.50%まで引き上げることを決めた。利上げは2006年6月以来、9年半ぶり。また、この日公表されたFOMCメンバーによる政策金利予測(中央値)では、2016-17年にぞれぞれ1%ずつの金利上昇が予想されている。これにより、市場が関心を持っていた2016年以降の利上げペースは、0.25%引き締めペースで年4回と想定される。FOMC開催前は年2-3回との見方が広がっていたため、市場はこうした予想を「タカ派」的と受け止めたことから、ドル買いが強まった。アジア取引時間帯では122円64銭まで値を切り上げた。

邦銀のある外為ディーラーは「米国市場だけでなく、欧州やアジアも短期的な売り買いは消化した」と話している。17日は、FRB発表時に取引時間を過ぎていた欧州株式市場で米利上げを織り込む展開となろう。実際欧州株先物は、時間外取引でプラス圏推移となっており、欧州取引時間帯ではドル一段高が予想される。一方で、今日と明日開催の日銀金融政策決定会合では追加金融緩和が先送りされる公算のため、今日以降は小幅ながら円買いのフローが観測されよう。また、原油価格の弱含みも、ドル・円の上値を抑えるかもしれない。邦銀関係者の1人は、ドル・円について「しっかりだが123円までの上昇は難しい」との見方を示す。

【今日の欧米市場の予定】

・18:00 独・12月IFO企業景況感指数(予想:109.0、11月:109.0)
・18:30 英・11月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:+0.6%、10月:-0.6%)
・22:30 米・7-9月期経常収支(予想:-1185億ドル、4-6月期:-1097億ドル)
・22:30 米・12月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:1.0、11月:1.9)
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:27.5万件、前回:28.2万件)
・24:00 米・11月景気先行指数(前月比予想:+0.1%、10月:+0.6%)
・EU首脳会議(ブリュッセル、18日まで)

《SY》

 提供:フィスコ

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