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【特集】キトー Research Memo(4):日本国内及び米州で高いシェア、内製化率60%以上が同社の強み


■会社概要

(3)市場シェア及び競合

チェーンブロックにおけるキトー<6409>の市場シェアは日本60%超、米国40%超、カナダ50%超と推定されており、国内及び米州で強い。一方、ロープホイストにおいて同社は中国市場でシェア約25%と強いが、日本も含めたほかの市場では競合他社の後塵を拝している。国内におけるロープホイストのシェアはまだ数%であるもようだ。

国内での競合は、非上場企業及び中小メーカー、大手重電メーカーの事業部門など、扱う製品によって様々である。世界市場では各社扱う製品が異なり正確な統計もないので単純な比較ができないものの、同社の推定ではトップがコネクレーン(フィンランド、Konecranes Plc)で以下、デマーグ(ドイツ、Demag Cranes AG)、コロンバスマッキノン(米国、Columbus McKinnon Corporation)と続き、同社が第4位となっているようだ。同社はコネクレーンと資本・業務提携を行っており、コネクレーンは同社の株式約22%を保有する筆頭株主でもある。

(4)特色及び強み

同社の最大の特色でもあり強みであるのは、部品も含めて60%以上を内製化していることである。特に最も重要な部品の1つである「鎖」を内製しており、これが安全性の点で顧客から高い信頼を得ている。ほとんどの同業他社は、多くの部品を外部から調達して「組み立て」を行っているだけの場合が多い。また2014年8月に米国のチェーン製造大手であるピアレス社(米国)を買収したことにより、同社グループのチェーン(鎖)メーカーとしての強さは一段と高まったと言えるであろう。

製品ラインアップが豊富なことも同社の強みである。例えば同じチェーンブロックでも定格荷重は言うに及ばず、電動・手動、高速巻き上げタイプなどの規格の製品が数多く揃っている。これによって顧客は自身の工場及び現場に最適な搬送システムを構築することが可能となる。

また国内外に多くの販売子会社及び代理店、さらにはサービスショップを有していることから、顧客に対して細かなビフォアサービス、アフターサービスを提供できるのも同社の強みである。今後は、国内で培ったサービスノウハウを海外市場でも活かし、海外市場でのシェア拡大を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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