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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は上値が重い、米利上げ織り込みや原油先安観で


今日の海外市場では、ドル・円は上値の重い展開となりそうだ。15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げが織り込まれ、強いドル買い材料が乏しいほか、日銀による追加金融緩和への期待が後退していることから、円売りには振れにくい見通し。また、原油価格が供給過剰感を背景に先安観が広がっていることもドル買いを弱める要因になると予想する。

11日の海外市場では代表的な原油先物価格の指標であるウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が一時35.16ドルまで下落し、2009年3月以来、6年9カ月ぶりの安値水準となった。これを受け、リスク回避の動きが強まり、ドル・円は122円付近から一時120円58銭まで下落。約2カ月ぶりの水準となった。ただ、週明けのアジア取引時間帯では120円後半から121円台まで値を戻している。ある邦銀関係者は「FOMCでの利上げ観測が意識されていることから、ドル・円は海外市場では121円前半から値を戻す展開になる」と予想している。

とはいえ、米利上げは市場に織り込まれつつあることから「利上げ観測は122円以上の水準まで押し上げるような強いドル買い材料にはなりにくい」と先の邦銀関係者はみている。また、今朝発表された12月の日銀短観の大企業製造業DIが予想を上振れたため、17-18日の日銀金融政策決定会合では追加金融緩和が先送りされる公算で、円売りにも振れにくい。加えて、国際エネルギー機関(IEA)が11日に公表した石油市場月報で「供給過剰状態が2016年末ごろまで続く」との見通しを示しており、原油価格になお先安懸念が広がっていることも、積極的なドル買いを手控えさせる要因となろう。

【今日の欧米市場の予定】

・19:00 ユーロ圏・10月鉱工業生産指数(前月比予想:+0.3%、9月:-0.3%)
・21:00 印・11月消費者物価指数(前年比予想:+5.33%、10月:+5.00%)
・欧州連合(EU)外相会合(ブリュッセル)

《SY》

 提供:フィスコ

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