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【特集】極洋 Research Memo(1):新中計では売上高2,600億円、営業利益50億円、ROE10%超を目指す


極洋<1301>は、昭和12年(1937年)に設立された水産物を中心とした総合食品会社である。米国やヨーロッパ、東南アジアなどにも拠点を有しており、現在では水産商事、冷凍食品、常温食品、物流サービス、及び鰹・鮪の5部門で事業を展開している。強みは水産会社として永年培ってきた原料の調達から加工、販売までの一貫したバリューチェーン及び水産食品のプロフェッショナルとしての力にある。

2016年3月期第2四半期(2015年4月?2016年9月)は売上高で108,499百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益で1,126百万円(同56.1%増)、経常利益で1,407百万円(同105.0%増)、四半期純利益で911百万円(同59.8%減)となった。前年同期比では増益だが期初予想を若干下回る結果となった。四半期純利益が大幅減益なのは前期に特別利益(厚生年金基金代行返上益)が計上されたためで、実質では増益となっている。

2016年3月期は、売上高で229,000百万円(前期比4.9%増)、営業利益で2,600百万円(同5.7%増)、経常利益で3,000百万円(同42.3%増)、当期純利益で2,200百万円(同9.6%減)が予想されている。上半期の実績を受けて営業利益、経常利益は期初予想から下方修正された。通期の収益は水産物市況に左右されるが、現在の予想は現状に沿って修正された数字なので、この目標が達成される可能は高いとみている。

同社は2018年3月期に売上高で260,000百万円、営業利益で5,000百万円、ROEで10%超を目標とする新しい中期経営計画を発表している。実際の利益水準は水産市況の変動による影響を受けるが、現在の足元の状況からすると達成はそう簡単ではなさそうだ。定量的な数値目標の達成も重要だが、後述のように同社は「バリューアップ・キョクヨー2018」を掲げており、定性的に同社の体質がどのように変わっていくかにも注目しておきたい。

■Check Point
・利益面では水産商事部門と鰹・鮪部門の影響が大きいビジネス構造
・16/3期2Qの利益は期初予想を下回るが営業利益と経常利益は大幅増益
・通期は増収、営業利益と経常利益の増益を見込む

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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