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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~原油安が商品相場全体への波及を警戒させる


8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・原油安が商品相場全体への波及を警戒させる
・ドル・円は123円11銭付近、アジア株安受けドル弱含み
・味の素<2802>、エーザイ<4523>、日水<1332>など内需関連がプラス

■原油安が商品相場全体への波及を警戒させる

日経平均は大幅に下落。203.17円安の19494.98円(出来高概算9億9000万株)で前場の取引を終えた。7日の米国市場では原油先物相場の大幅な下げが嫌気され、NYダウは100ドルを超える下落となっていた。一方で、寄り付き前に発表された7-9月期のGDP改定値は年率1.0%増と速報値の0.8%減から上方修正された。コンセンサスが0.2%増だったこともあり、小反落で始まった日経平均は、その後19764.21円とプラスに転じる局面もみられた。

しかし、買いが先行したファナック<6954>が下げに転じるなど、次第に下げに転じる銘柄が増えている。日経平均は前場半ば辺りに下げに転じると、その後もじりじりと下げ幅を拡大させている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1400を超えており、全体の7割を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも2ケタの下落。セクターでは水産農林、空運が小幅に上昇する一方で、鉱業の下落率は4%を超えているほか、石油石炭、鉄鋼、非鉄金属、機械、卸売などの弱さが目立つ。

原油相場の下落影響は限定的とみられていたが、商品相場への波及等が警戒されており、素材関連等へ売りが波及しているようである。また、中国・上海市場が軟調に推移していることも、投資家心理を悪化させており、ポジション圧縮の動きに向かわせているようである。その他、週末に先物オプションSQを控えるなか、権利行使価格の19625円及び19500円を下回ってきており、ヘッジに伴う売りも意識されている。

日経平均は再び25日線を下回ってきており、26週線を試す展開になりそうである。26週線で踏ん張りをみせられれば、押し目拾いの好機として意識されそうだが、これを割り込んでくるようだと、13週線が位置する19000円処が心理的に意識されやすいだろう。押し目買いも入れづらく、直近IPOや中小型株などの一角に絞られそうである。

(株式部長 村瀬智一)


■ドル・円は123円11銭付近、アジア株安受けドル弱含み

ドル・円は123円11銭付近で推移。日経平均が小反発で寄り付いたものの、マイナス圏に転落したのを受け、ドルは123円40銭から123円06銭まで下落。中国株も下げていることから、株安を意識したリスク回避的な円買いのフローが入ったもよう。

ランチタイムの日経平均先物は弱含みが続いていることから、ドルは午後の取引も売りが続きそうだ。ただ、122円台は押し目買い意欲が強いことから、下げは限定的と予想する。

12時27分時点のドル・円は123円11銭、ユーロ・円は133円65銭、ポンド・円は185円30銭、豪ドル・円は89円19銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・ファナック<6954>、電通<4324>、Fリテ<9983>が日経平均値下がり寄与上位
・味の素<2802>、エーザイ<4523>、日水<1332>など内需関連がプラス
・郵政グループは3社とも反落


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・14:00 11月景気ウォッチャー調査・現状(予想:48.7、10月:48.2)

<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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