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【特集】デリカフーズ Research Memo(3):食をデザインするメニュー提案に関心度が高まる


■決算動向

(1) 2016年3月期第2四半期の業績概要

11月10日付で発表されたデリカフーズ<3392>の2016年3月期第2四半期累計(2015年4月?9月)の連結業績は、売上高が前年同期比11.5%増の15,544百万円、営業利益が同40.7%減の207百万円、経常利益が同42.8%減の210百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同44.2%減の130百万円と増収減益となった。

売上高の80%以上を占める外食産業の月次売上動向を見ると、全体ではファーストフードや居酒屋業界の低迷により、6月頃までは前年比マイナス基調が続いてきたが、7月以降は前年並みの水準まで回復してきている。このうち、ファミリーレストランについては、前年同月比で4%前後の成長が続いている。消費マインドの回復及び、消費者ニーズが低価格志向からヘルシー志向、産地等にこだわる本物志向へと変遷するなかで、客数、客単価のプラス基調が続いていることが要因だ。

こうした市場環境下において、同社の売上高成長率は11.5%増と外食業界を上回る成長をみせた。この要因としては、以下の3点が挙げられる。「食の安心・安全」に対する意識が高まるなかで、同社の高品質な物流機能(スーパーコールドチェーン対応等)や最新の生産設備等が高く評価されていること、人手不足が続く外食業界のなかで省力化に寄与するカット野菜の需要が拡大していること、ヘルシー志向や産地へのこだわりといった食のトレンド変化に対して、同社の食をデザインするという考え方のメニュー提案に対する関心度が高まったこととなっている。当第2四半期累計期間においても、新規顧客の獲得や既存顧客との取引シェア拡大が順調に進んだことで、売上高は期初会社計画を上回り、半期ベースでも過去最高を更新した。

売上高が好調に推移したにもかかわらず営業利益が減益となったのは、天候不順や集中豪雨の影響による野菜調達価格の高騰や野菜品質悪化によるカット野菜の収益性低下(作業効率の低下や廃棄ロスの増加等)に加えて、4月より稼働を開始した奈良FSセンターの立上げ費用(人件費、消耗品費等)や減価償却費の増加が主因となっている。このうち、奈良FSセンターに関する費用増分についてはほぼ見込みどおりであり、会社計画からの未達分は天候不順による調達価格の高騰や野菜品質悪化が要因となっている。

第1四半期から天候不順の影響があったが、第2四半期においては夏場の冷夏や9月の台風並びに関東・東北地区での集中豪雨の影響で、野菜価格は急騰した。東京都中央卸売市場の統計を見ても、7月~9月の野菜価格は大きく上昇していることがわかる。同社においてはこうした天候不順による野菜調達リスクをヘッジするため、台湾や米国など海外の調達先の開拓も続けており、今回も海外からの調達を増やすことで国内での調達不足分をカバーし、売上げを伸ばすことができたとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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