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2015年12月01日15時38分

【特集】北の達人 Research Memo(6):アジア観光客によるドラッグストア等への指名買いが大きく伸びる


■決算概要

(1) 2016年2月期上期決算の概要

北の達人コーポレーション<2930>の2016年2月期上期の業績は、売上高が前年同期比23.8%増の1,150百万円、営業利益が同8.0%減の216百万円、経常利益が同7.6%減の220百万円、純利益が同0.4%増の143百万円と増収ながら減益となった。ただ、期初会社予想に対しては、売上高が計画を上回り、経常利益でも計画どおりの結果である。

売上高では、主力商品群の「カイテキオリゴ」、「みんなの肌潤糖」シリーズ、「二十年ほいっぷ」がそれぞれ順調に伸長した。特に、「二十年ほいっぷ」がインターネットを通じた海外からの注文に加えて、インバウンドによる需要(アジア観光客によるドラッグストア等への指名買い)により大きく伸びている。

一方、利益面では、利益率の高い「カイテキオリゴ」の構成比が低下したことから原価率が若干上昇したことに加えて、広告宣伝費や人件費の増加等により販管費率が大幅に上昇したことから営業利益率は18.8%(前年同期は25.3%)に低下した。ただ、広告宣伝費の増加は、新規会員獲得のために第1四半期において戦略的に投入※したことによるものであり想定の範囲内。その結果として、売上高の拡大を実現するとともに、第2四半期には獲得した新規会員のリピーター化による投資回収を図ったことから計画どおりの経常利益を達成するに至った。したがって、狙いどおりの展開と言えるだろう。また、人件費の増加も業容拡大に向けた人材確保(10名)やベースアップが理由であり、こちらも計画どおりとみられる。
※特に、スマートフォンマーケットの取り込みを加速するために、Twitter、FacebookやLINEといったソーシャルメディアにおいて数多くのプローションを展開した。

財務面では、広告宣伝費の積極投入により現預金が減少したことから総資産が縮小した一方、自己資本は内部留保の積み増しにより増加したことから、自己資本比率は82.4%(前期末は73.8%)と高いレベルでさらに改善を図ることができた。

主力商品群別の販売実績は以下のとおりである。

「カイテキオリゴ」は、売上高が前年同期比3.0%増の523百万円と着実な伸びとなり、若干の減収を見込んでいた期初予想を上回った。他の主力商品群が大きく伸びていることから、本商品に対する業績依存度は45.5%(前年同期は54.7%)に低下した。

「みんなの肌潤糖」シリーズは、売上高が前年同期比33.8%増の380百万円と大きく伸長した。特に、シリーズの1つである「みんなの肌潤糖クリア」において、子供のニキビトラブルに悩む母親世代を対象としたプロモーション活動が奏功し、これまで想定していなかった10代からのリピート注文を獲得できたことが大きかった。

「二十年ほいっぷ」も、売上高が前年同期比147.6%増の156百万円と大きく伸長した。国内及び海外ともに大きく伸びているが、特にインバウンドを含めた海外からの需要の拡大が業績の伸びを後押ししている。同社は、前述したとおり、アジアのマーケットを意識した施策として、台湾の著名人を用いたプロモーション展開や、アジア観光客が多く立ち寄るエリア・店舗を中心にドラッグストア向けの卸チャネル数の拡大を図っており、それらの施策も奏功したとみられる。なお、上期実績のうち、卸チャネル(ドラッグストア等)向けの売上高は24百万円程度(前年同期は実績なし)、海外向け売上高は9百万円程度(前年同期は約1百万円程度)と推定される。

一方、新商品に関しては、「みんなの肌潤糖」シリーズから、うるおい密閉保湿ケア入浴剤「みんなの肌潤糖風呂」(4月21日リリース)の1商品のみ※にとどまった(2016年2月期上期実績)。期初の早い段階から相次いでリリースを予定していたことからすると、開発に遅れがみられるものの、現在9商品が進行中であり、今後1年以内にはすべてが発売予定としている。なお、新商品「みんなの肌潤糖風呂」による業績貢献は4百万円程度(上期実績)のもようであり、同社としてはじっくりと育てていく方針としている。
※11月10日に今期2商品目となる目の下用アイショットクリーム「アイキララ」をリリースしている

(2) 2016年2月期業績予想

2016年2月期の業績予想について同社は、上期実績が順調であったことや足元の状況等を勘案して、期初予想を据え置いており、売上高を前期比17.5%増の2,281百万円、営業利益を同10.1%増の506百万円、経常利益を同8.3%増の483百万円、当期純利益を同16.4%増の312百万円と増収増益を見込んでいる。

上期に引き続き、「みんなの肌潤糖」シリーズ及び「二十年ほいっぷ」の大幅な伸びが増収に寄与する想定である。一方、「カイテキオリゴ」は若干の減収と保守的にみているようだ。また、新商品についても通期で4商品のリリースを予定(そのうち2商品はリリース済)しているが、今期における業績貢献は限定的となる見込みである。

利益面では、将来の成長に向けた体制整備のための人材確保及び育成、広告宣伝費などによる先行費用の増加を計画しているが、増収により吸収することで増益(営業利益率は若干低下)となる見込みである。特に、広告宣伝費については、下期においても第3四半期での積極投入と、第4四半期での投資回収(売上高の伸びによる費用の吸収)を予定しているようだ。

同社では、新商品のリリースに遅れがみられるものの、主力商品群がそれぞれ順調に伸びていることや、とりわけ「二十年ほいっぷ」については、インバウンドを含めた海外からの需要の伸びが拡大していることから、同社の業績予想は固めの水準とみている。なお、広告宣伝費のかけ方(タイミング)による一時的な損益の振れには注意が必要である(特に第3四半期決算への影響)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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