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【特集】【中国の視点】海外「爆買い」とは対照的、高級ブランドショップの国内閉鎖相次ぐ


ルイヴィトンはこのほど、広州の販売店1カ所を閉鎖した。また、ルイヴィトンのほかに、海外の有名ブランドも中国での店舗縮小を検討していると報じられた。さらに、プラダやグッチなど高級ブランド品のバーゲン時期は今年、例年より1カ月前倒して実施されている。

海外で爆買いする中国人旅行客の旺盛な消費意欲とは対照的に、国内の消費伸び鈍化が目立っている。高い輸入関税に加え、割高な価格設定が国内の高級ブランドの消費を圧迫していると分析された。

統計によると、2015年に入ってから中国消費者が購入した全世界の奢侈(しゃし)品は1168億米ドルに上り、2014年通年を約158億米ドル上回ったという。ただ、78%の消費は海外で発生しており、これが国内高級ブランド品の市場を圧迫している主因だと分析された。

国内消費を拡大させるため、中国政府は輸入関税の見直しなどを検討している。また、海外の高級ブランドメーカーも中国国内での販売価格の引き下げを相次いで実施している。

専門家は、ネット販売の普及に伴い、ブランドショップが商品をチェックする場所に徐々に変身していると指摘。国内外の価格差が大きいため、今後はこうしたショップの閉鎖が一段と加速すると予測した。ただ、中国政府による輸入関税の追加引き下げが実施されれば、海外での爆買い現象が徐々に減少するとの見方を示した。
《ZN》

 提供:フィスコ

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