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2015年12月01日07時18分

【経済】NYの視点:中国人民元が主要通貨に、投資家は静観


国際通貨基金(IMF)は予想されていた通り、中国人民元の特別引き出し権(SDR)採用を決定した。これで、世界第2位の経済大国である中国の主要通貨、人民元は世界の主要通貨に格上げされた。2016年10月1日付。人民元のSDR構成比率は10.92%で、予想されていた14-16%を下回ったものの、英国ポンドの8.09%、日本円の8.33%を上回る。新たなドルの比率は41.73%、ユーロは30.93%となる。

人民元が主要通貨入りしたことは象徴的な出来事だが、政治的な動きとの思惑もあるため投資家の人民元に対する見解に大きな変化は見られない。データが依然不十分で、政策の不透明性も高く、投資家には「リスク」との指摘も少なくない。IMFは今後も、SDR構成通貨が条件を満たしているかどうかを密に監視していく方針。新たに厳格な基準で改革状況が精査されることになり、中国にとっては更なる圧力となる。長年の目標達成で、中国政府が金融改革や自由化のペースを緩めるため、人民元の下落を予想しているストラテジストもいる。

SDR構成通貨として採用されたことは今後、世界各国の中央銀行が人民元を外貨準備通貨として検討することになる。特に中国との貿易、金融上の関係性が強い国の中央銀行は人民元を外貨準備として採用する可能性が強まる。実際、人民元は8月時点で、貿易や対外投資の決済に使われる通貨としてのシェアで初めて円を上回った。ただ、中央銀行によるポートフォリオの入れ替えは頻繁に行われるものではない。また、民間の投資家が人民元への投資を拡大するのは資本規制が解除され、透明性が向上するまでは限定的となる可能性が強い。

《NO》

 提供:フィスコ

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