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【特集】サンワテクノス Research Memo(4):売上高は増収ペースを維持し、過去最高を更新し続けている


■中期経営計画の進捗状況

サンワテクノス<8137>は2016年3月期を最終年度とする3ヶ年中期経営計画「JUMP1200」に取り組んでいる。この中期経営計画こそが、前述した同社が取り組む営業体制の変革や成長市場へのアプローチ強化などの諸施策の大元となっている。

2016年3月期は現行中期経営計画の最終年度に当たる節目の年だ。詳細は後述するが、同社は第2四半期決算に際して、2016年3月期通期予想を下方修正した。売上高は増収ペースを維持し、過去最高を更新し続けてはいるが、成長率は大きく鈍化した。利益面では、営業利益が中期経営計画策定当初の4,400百万円から2,800百万円に、経常利益が同じく4,700百万円から3,000百万円に引き下げられた。

こうした下方修正の背景には、外部環境の変化などの要素が大きいが、同社自身の自助努力でカバーできる要素はほかにもっとなかったか、という疑問は当然に出てくるだろう。この点は、今後2016年3月期を最終的に締めた後、同社で総括され、次期中計へと反映されていくと考えられる。

最終年度の業績計画が下方修正されたものの、現行中期経営計画の進捗において弊社がポジティブに評価する点は、費用の管理を正直に、かつうまく行っているとみられる点だ。正直にというのは、売上高が伸び悩む状況にあっても、将来に向けて人材確保のための採用や昇給などの施策を計画どおり行っていることが典型的だ。また、不良在庫などの計上などについても、将来への禍根を残さぬように常に適切に処理していることも挙げられる。うまくというのは、営業利益を減益とはいえ計画に近い水準を確保したコスト・コントロール能力だ。こうしたブレのない経営方針と管理部門の力は、地味ではあるが同社の成長の根幹をなす部分であり、ここが不変であることは、将来を考えるうえで非常に心強いポイントだと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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