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【市況】NYの視点:ドル指数は心理的節目の100を達成、米製造業の勢いは失速も利上げ観測根強く


欧州の11月総合PMIが2011年以降で最高に達したことを横目に、米国の製造業は低迷が続いている。民間のマークイットが発表した11月製造業PMI速報値は52.6と、予想の54.0を下回り2013年10月以降ほぼ2年ぶりの低水準に落ち込んだ。活動の拡大と縮小の境目となる50は引き続き上回った。前年同月は54.8だった。主要項目の新規受注は55.6から53.1へ低下。ドル高や世界経済の悪化が引き続き影響し輸出も弱く、海外からの受注は再びマイナス圏に落ち込んだ。雇用も鈍化。

マークイットのチーフエコノミストは、11月の製造業PMIは米国製造業の成長の勢いが失速したことを示していると指摘。国内の需要は堅調だが、世界経済の低迷とドル高が受注に影響を与えているとした。また、製造業は雇用にも慎重で、雇用は過去5年間で最低の伸びに留まったとした。ただ、生産の伸びは引き続き力強いペースで、10-12月期の経済成長を支援するだろうと加えた。また、微々たる成長を継続し、いかなる弱さも国内需要ではなく、世界経済の弱さが要因であることから、米連邦公開市場委員会(FOMC)が12月の利上げを断念する理由は見当たらないとした。

大半の連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーが年内の利上げをほのめかしているが、タルーロFRB理事は依然、利上げの先送りを望んでいるようだ。ブルームバーグとのインタビューで、経済が「依然、強弱まちまち」で、インフレにも「依然多くの不透明感が残る」と、「インフレの兆候が見られるまで行動を待つほうがよいかもしれない」との考えを明らかにした。一方、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は21日の講演で、「米国の経済がこのままの状況であった場合、12月に利上げを開始する正当性が強まる」と依然、年内の利上げを支持した。

米金利先物市場の12月利上げ確率は72%。依然7割超で利上げは現状で確実視されつつある。ドル指数は8カ月ぶりに心理的節目である100を達成した。

《NO》

 提供:フィスコ

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