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【経済】NYの視点:ECBの12月追加緩和必至、ポルトガル政局不安やギリシャ問題くすぶる


欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は10月定例理事会後の会見で、成長やインフレの見通しリスクが下方に傾斜しており、12月会合で緩和策の見直しが必要であると述べた。ドラギ総裁の会見から、市場は「12月の追加緩和は必至」で、今後の焦点は「規模」と見ている。追加緩和に関して、メディア報道では、欧州中央銀行(ECB)関係筋の話として、12月の中銀預金金利引き下げでコンセンサスができつつあるという。また、現在の協議の焦点は利下げの幅で、一部のメンバーは0.1%の追加利下げはすでに市場織り込み済みであるため、市場予想よりも大きな動きを決定するとの慣行に従い、積極的な措置が必要との指摘もあるようだ。

欧州中央銀行(ECB)は成長やインフレの見通し下振れリスクに加え、ポルトガルの政局不安が深刻化する可能性や、万が一ギリシャが救済資金を受け取れない可能性などを考慮する必要もある。ポルトガル議会はコエリョ政権の政策を否決し、内閣不信任が成立。コエリョ政権は退陣に追い込まれる。今後も域内諸国で反緊縮を進める政権に反発する動きが拡大する可能性も否めない。

一方、いち早く反緊縮政権に移行したギリシャは救済プログラムで合意した条件を満たさなかった場合、欧州連合(EU)がギリシャに救済資金を供給しない可能性もあると懸念されている。ダイセルブルーム・ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長によると、16日にギリシャに20億ユーロの救済資金を供給するかどうかを決定することを明らかにした。ツィプラス首相は11月にEUと債務再編に関する交渉をする意向を見せていたが、EU側は債務再編は「問題外」との見解を変えていないようだ。

地域の政権、政策変更などで、収拾しつつあった債務問題が再び持ち上がる可能性も否めない。ユーロは一段の下落が見込まれる。

《NO》

 提供:フィスコ

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