【市況】後場に注目すべき3つのポイント~メガバンクは決算前にシグナル好転
9日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・メガバンクは決算前にシグナル好転
・ドル・円は123円34銭付近、強い米雇用統計受け買い継続
・日本郵政グループ3社は利益確定売り優勢で小幅続落
■メガバンクは決算前にシグナル好転
日経平均は大幅に上昇。412.79円高の19678.39円(出来高概算12億6000万株)で前場の取引を終えている。6日の米国市場では、予想を上回る雇用統計の結果を受けて、年内利上げへの思惑が高まり銀行株に買いが広がっていた。シカゴ先物は大阪比200円高の19460円となるなか、これにさや寄せする格好からのスタート。
19400円を回復して始まった日経平均だが、その後もじりじりと上げ幅を拡大させている。セクターでは決算が評価されたオリンパス<7733>が一時ストップ高となるなど、精密機器が上昇率トップ。米年内利上げ観測を背景に、保険、銀行などの強い動きが目立つ。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1500を超えており、全体の8割を占めている。
日経平均はリバウンド基調が強まっており、26週線を突破してきている。19533円辺りに位置する26週線を支持線に変えてくることができるようだと、節目の2万円への意識が強まってきそうである。週末にはオプションSQを控えていることもあり、急ピッチの上昇に対するヘッジ目的の動きなども意識されやすいだろう。
その他、メガバンクのリバウンド基調が強まってきている。メガバンクは今週決算を控えているが、この決算を前に見直しの動きがみられてきている。三菱UFJ<8306>などは一気にテクニカルシグナルが好転してきており、ショートカバーなども入りやすいであろう。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は123円34銭付近、強い米雇用統計受け買い継続
ドル・円は123円34銭付近で推移。前週末に発表された米雇用統計が市場コンセンサスを大きく上回ったことから、週明け東京市場でドル買いが続いている。
6日夜に発表された10月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が+27万1000人と、市場予想の+18万人を大きく上回った。これを受け、6日の海外市場でドル・円は121円90銭付近から123円台まで急伸。週明け東京市場でもドル買い基調が続き、123円前半で取引された。
米雇用統計を受け、12月利上げの可能性が高まっていることから、日米金利差の拡大を意識したドル買い・円売りが短期間で縮小するとの見方は少ないようだ。ただ、ランチタイムの日経平均先物が買い一服となっており、午後の取引ではドル買い一巡が予想される。
ユーロ・ドルは1.0720ドルから1.0746ドル、ユーロ・円は132円18銭から132円64銭で推移した。
12時28分時点のドル・円は123円34銭、ユーロ・円は132円80銭、ポンド・円は185円91銭、豪ドル・円は87円05銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・Fリテ<9983>、オリンパス<7733>、KDDI<9433>で日経平均を約104円押し上げ
・日本郵政グループ3社は利益確定売り優勢で小幅続落
・三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>は5%近くの上昇
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・特になし
<海外>
・16:00 独・9月貿易収支(予想:+200億ユーロ、8月:+153億ユーロ)
《SY》
提供:フィスコ