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【特集】<話題の焦点>=セパレーター増産へ、市場拡大見据え先行投資

 リチウムイオン二次電池の主要材料のひとつであるセパレーター(絶縁材)の生産能力を増強する動きが相次いでいる。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)のさらなる市場拡大を見据え、先行投資することで需要を取り込む狙いだ。

 経済産業省が2014年11月にとりまとめた「自動車産業戦略2014」は、EVおよびPHVの国内乗用車市場に占める割合を20年までに15~20%、30年までに20~30%とすることを目指している。この実現に欠かせないのが1回の充電による長距離走行で、そのためにはリチウムイオン二次電池の高容量化や高エネルギー密度化が必要となり、正極と負極を絶縁しショートによる異常発熱を防止するセパレーターの使用量が増加することが見込まれる。

 住友化学<4005>は、既存の大江工場(愛媛県)の生産能力を来春までに約1.3倍に増強。17年には韓国の新工場が量産を開始する予定で、全体の生産能力は現在の2倍強に高まる。

 宇部興産<4208>は、宇部ケミカル工場(山口県)の既存設備の再構築と堺工場(大阪府)の新増設で生産能力を段階的に引き上げ、20年までに現行比倍増を計画。同社と合弁で塗布型セパレーターを生産している日立マクセル<6810>も塗布加工能力の引き上げを明らかにしている。

 旭化成<3407>は宮崎県の工場で設備増強を進めているほか、セパレーターを手掛ける米ポリポレ社を買収した。

 ダブル・スコープ<6619>は韓国LG化学から生産ライン2本を取得。また、自前でも同国で生産ラインを新設し、3年以内に生産能力を現在の2倍以上に増やすとしている。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)

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