市場ニュース

戻る
2015年10月28日16時18分

【特集】クリレスHD Research Memo(4):立地の多様性とブランドの専門性を掛け合わせ成長機会を生み出す


■5年後の成長イメージ

クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>は、5年後の成長イメージとして「VISION 2020」も発表した。「グループ連邦経営」を更に発展させることにより、強いポートフォリオの構築による継続的成長を目指している。これまでのM&Aにより、従来の商業施設立地に加えて、繁華街及び駅前(SFPダイニング)やロードサイド(KRフードサービス)のほか、海外(中華圏、ASEANなど)を含めて、立地(ロケーション)の多様性が図られてきた一方で、業態(専門ブランド)の種類も拡充してきたことから、立地の多様性と様々なブランドの専門性の掛け合わせをさらに追及することにより、新たな成長機会を生み出す内容となっている。

なお、軸となる成長エンジンには、(1)オーガニックな出店、(2)国内M&A、(3)更なる海外展開の3つを挙げており、2020年2月期の売上高2,000億円を目標としている。これは、2016年2月期の売上高予想1,020億円に対して4年間で約1,000億円の売上増加(倍増)を目指すものであり、年平均成長率では18.3%と高い水準となっている。

各成長エンジンにおける売上増加イメージと基本方針は以下のとおりとなっている。

(1)オーガニックな出店

現在展開中の事業を出店により成長させていくものであり、年間90店舗程度の出店により4年間で600億円の売上増加を目指している。好調な海鮮居酒屋業態「磯丸水産」と主力のCRカテゴリーが出店の軸となるが、それに加えて専門ブランドカテゴリーによる出店も強化する方針である。特に、最近の動きとして、商業施設立地に専門ブランドであるYUNARI(つけめんTETSU)やイートウォーク(AWkichen)を出店するケースがみられ、今後もこのような出店が増えるものと考えられる。

(2)国内M&A

「グループ連邦経営」を支えるM&Aの実施により、4年間で300億円の売上増加を目指している。同社は、過去4年間のM&Aにより売上高で約380億円を積み上げてきた実績や、現在の旺盛な引き合いの状況から勘案して、今後もM&A案件の発掘は可能であると判断している。

(3)更なる海外展開

これまでのシンガポールや香港でのノウハウを活用し、現在は非連結となっている台湾をはじめ、和食人気の高い北米やASEAN地域(インドネシア、マレーシア、ベトナムなど)への展開により、4年間で100億円の売上増加を目指している。また、比較的少ない資本で事業拡大が期待できる合弁事業やFC方式による展開も視野に入れているようだ。

弊社では、目標(成長イメージ)の達成に向けたハードルは決して低くはないとみているが、好調な海鮮居酒屋業態の出店余地が十分にあることや、M&Aの環境が同社にとって追い風であること、海外事業もノウハウの蓄積や和食人気による後押しが期待できることなどから実現可能と判断している。特に、M&Aの環境については、外食業界の新陳代謝が進む中で、経営資源が未熟ながら個性的で魅力的な業態を展開する事業者に出会う機会が増えていることや、2015年8月にオリエンタルランド(株)から(株)アールシー・ジャパンを取得したように、大企業の中にもノンコア事業(子会社による外食事業など)を切り離す動きがあることなどが同社にとって追い風になる可能性が高いとみている。もちろん、M&Aにおける案件の発掘や買収後のシナジー創出における進捗の遅れや何らかの見込み違いが、目標に対して下振れ要因となる可能性には注意が必要である。

一方、今後の出店計画において高い比重を占める「磯丸水産」については、足元で好調に推移しているうえに、出店余地も十分に残されてはいるものの、リスク分散やさらなる将来を見据えた取り組みとして、新たな出店軸の発掘及び育成も今後の課題としてあげられよう。

また、単なる売上の積み上げとしてではなく、立地の多様性とブランドの専門性の掛け合わせによる戦略の更なる進化やコストシナジーの発現など、同社の「グループ連邦経営」ならではの価値創造の方向性や具体的な成果にも注目していきたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

【関連記事・情報】

日経平均