市場ニュース

戻る
 

【通貨】欧米為替見通し:ドルは121円台に乗せても瞬間的


今日の海外市場では、欧米株高を受けたドルの動向に注目が集まる。欧州中央銀行(ECB)が前日示した量的緩和策の方針を背景に欧米株式市場では上昇が見込まれるため、リスクオンのドル買いに振れそうだ。ただ、ドル買いの材料が乏しいことに変わりはなく、約1カ月ぶりに121円に乗せたとしても瞬間的とみる。

ECBは22日、現在実施している量的緩和策に新たな金融緩和手段を加えることを検討し、12月の理事会で決定するとの方針を示した。これを受け、ユーロ・ドルは1.1320ドル台から急落。今日の東京市場にかけて売りが続き、8月19日以来の2カ月超ぶりとなる1.1072ドルまで値を下げた。

ECBの方針は欧州時間の22日午後に伝えられたことから、一部市場関係者は「欧州市場での消化は不十分だった」と指摘している。欧州外為市場ではユーロ売りが続く可能性がある一方、欧州株式市場ではECBの方針を好感し買い継続が見込まれる。つまりユーロ売り、欧州主要株価指数買いの構図を想定。

米国株式市場では欧州株高に反応するとみられることから、リスク選好のドル高につながりやすい。ただ、ドルに関しては米利上げ観測が後退しており、買い手がかりが乏しい状態が続いている。約1カ月ぶりに121円に接近しているが、仮にこの水準に乗せても「滞空時間は短い」(先の市場関係者)との声も。

今日は週末であるほか、来週は日米の金融政策が発表されるため、実需筋よりも短期筋による取引が多くなる可能性がある。ユーロ売りをきっかけに各通貨がボラタイルな展開となるかもしれない。


【今日の欧米市場の予定】

・21:30 カナダ・9月消費者物価指数(CPI)(前年同月比予想:+1.1%、+1.3%)
・22:45 米・10月製造業PMI速報値(予想:52.7、9月:53.1)

《SY》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均