【市況】後場に注目すべき3つのポイント~決算はアク抜けの流れに向かいやすく
22日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・決算はアク抜けの流れに向かいやすく
・ドル・円は119円85銭付近、午前の値幅は高安13銭
・富士フイルム<4901>はコンセンサスを下回る上期業績観測で下落
■決算はアク抜けの流れに向かいやすく
日経平均は小幅に続伸。11.55円高の18565.83円(出来高概算9億1000万株)で前場の取引を終えた。米株安の流れと前日の大幅上昇の反動もあり、利益確定の流れから始まった。しかし、寄り付き直後の18436.93円を安値に、その後は下げ幅を縮めており、前日終値を挟んでのもみ合いとなっている。
セクターでは食料品、鉄鋼、空運、倉庫運輸、鉱業、海運、電気機器などが堅調。半面、医薬品、建設、その他金融、証券、精密機器、小売、その他製品などが冴えない。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が若干上回っている。規模別指数は中型株指数のみが下落。
日経平均は前日の終値水準での底堅い値動きをみせている。直近のレンジ上限が支持線として意識されており、小動きながらも強い動きであろう。前日の新日鉄住金<5401>に続いて、本日はコンセンサスを下回った日本電産<6594>がアク抜けの動きをみせていることも、センチメントを明るくさせている。
また、業績観測が伝えられた富士フイルム<4901>についても、嫌気売りから4%を超える下げとなるものの、寄り付き水準は上回っており、売り込みづらい状況であろう。売り込まれていた銘柄等の見直しも意識されやすく、次第に先高期待が高まりそうだ。その他、テーマ株ではマイナンバー関連の一角が堅調。業績上振れ観測などもあり、関連銘柄の動向が注目される。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は119円85銭付近、午前の値幅は高安13銭
ドル・円は119円85銭付近で推移。前日海外市場で120円09銭まで上昇した後は利益確定売りに押され、もみあいながら値を下げる展開。東京市場は119円93銭で寄り付いた後、119円83銭から119円96銭の狭いレンジ内でもみあった。
株高を意識したリスク選好的な円売りは増えていないもよう。午後の取引で株価の上げ幅拡大への期待は残されているが、ランチタイムの日経平均先物がほぼ横ばいとなっていることから、ドル・円は午後の取引ももみあう展開を予想する。
ユーロ・ドルは1.1333ドルから1.1348ドル、ユーロ・円は135円92銭から136円03銭で推移。
12時35分時点のドル・円は119円85銭、ユーロ・円は136円00銭、ポンド・円は185円00銭、豪ドル・円は86円62銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・ファナック<6954>、TDK<6762>、トレンド<4704>など日経平均値上がり寄与度上位
・富士フイルム<4901>はコンセンサスを下回る上期業績観測で下落
・M&Aの動きなどが目立っている半導体業界などには再編期待
☆後場の注目スケジュール☆
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《SY》
提供:フィスコ