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【材料】三菱食品が大幅高で5日続伸、11月第1週発表予定の上期決算に期待した買い

 三菱食品<7451>が5日続伸。後場上げ幅を拡大し6日の年初来高値を更新。一時、13年4月以来2年半ぶりの3000円台回復にあと30円と迫る場面もあった。加工食品卸売事業会社はメーカーのコストアップで業績が悪化して、メーカーの値上げに少し遅れて業績は回復に向かうパターンとなっている。人気薄銘柄だが、同社8月発表の2016年3月期第1四半期連結決算は、売上高が前年同期比1.3%増の5849.53億円と小幅だったものの、営業利益は63.5%の24.64億円となり、前期第4四半期営業36.3%増の43.92億円に続く大幅伸びとなったことから、11月第1週発表予定の上期決算への期待感も買いを誘っているようだ。

 「日本の問屋は永遠なり」の著者有賀泰夫アナリストは「加工食品卸売業はメーカーのコストアップで業績が悪化し、メーカーの値上げに少し遅れて業績が回復する傾向にある。年初来、メーカーの値上げが相次いでいたことから、加工食品卸売業の業績回復を予見してきたが、同社の業績発表で改めてそれが確認された」と指摘。そして、「前回は2005年度から07年度にかけてグローバルなコストアップにより大幅に業績が悪化した後、07年秋口ら始まったメーカー値上げにやや遅れて、急速な業績回復を示した。今回もまさに食品メーカーの値上げが本格的に始まった15年1-3月から増益に転じ、4-6月は回復の加速が見られているという。
 同社では、今期の重点施策として「流通最適化に向けた機能強化と成長市場への対応強化」を掲げており、持続的な成長を実現し、「中経2015」の定量目標(売上高3兆円、経常利益300億円)で掲げた「経常利益率1%」への挑戦を続けるとしている。
(執筆者:熱田和雄 ストック・データバンク)

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