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【経済】中国の5中全会に世界の注目が集まる


中国は10月26日~29日まで共産党中央委員会第5回全体会議(5中全会)を開催する。この会議で中国の次期5カ年計画が決まるため、世界中からより大きな注目が集まってきた。
 現在の世界経済の減速傾向や金融市場の混乱は、世界第二位にまで躍進した中国経済の減速を主な原因としている。新興国経済の減速や資源需要の減速も中国経済による影響が極めて大きい。米国の連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを決定できなかったのも中国発のリスクによる。米国の経済指標も世界経済の減速傾向を受けて弱含んでおり、年内の利上げは難しくなったとみるのが大勢となっている。
 現在、世界の金融市場は米国の利上げと中国経済の減速が2大関心事だが、結局中国経済の動向により米国の利上げも左右される事態となっており、利上げが見送られるであろう次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)よりも中国の「5中全会」の方が影響が大きくなりそうだ。
 中国は習政権となってから構造改革を優先し、経済についても新常態(ニューノーマル)を目指すとして成長率の低下を容認してきた。しかし、中国経済が相当減速していることは各種の経済統計から明らかで、成長率目標の年7%を下回っているのは誰の目にも明らかとなっている。
 日本の失われた20年のような事態を回避するため、また政権や体制の維持のため中国共産党は新常態などと悠長なことを言ってもいられなくなったといえよう。
 新シルクロード(一帯一路)構想や公共事業等を中心とした経済対策強化を打ち出すなど、ある程度成長重視路線への揺り戻しがあるのは必至だろう。
《YU》

 提供:フィスコ

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