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【特集】【中国の視点】万里の長城:「天災」と「人災」で崩壊の危機にさらされる


世界に誇る文化遺産である「万里の長城」が「天災」と「人災」で崩壊の危機にさらされている。遺跡の保護などを担当する「国家文物局」が発表したデータによると、もっとも新しい「明長城」さえ保存状態は「良い」に相当する部分は8%にとどまり、7割の保存状態は「悪い」という。

また、人気の観光スポット以外の保存状態が非常に「悪い」とも報告された。規模の大きさで資金問題が存在しているほか、厳しい自然環境など「天災」の要因もあると指摘された。また、文字などが刻まれたレンガの盗みなどを見てみぬふりをする地方当局が少なくないほか、地方政府が関与したケースなど「人災」の部分もあると批判されている。文字付のレンガの買い手が多いことが背景にある。

専門家は、こうした「人災」を防げなかったことについて、保護制度に不備があるほか、利益を見込めないところに地方政府が積極的ではないことが主因だと分析した。万里の長城を後世に残すため、管理制度と責任をもう一度再分化する必要があると強調。また、利益至上主義という地方幹部の意識改革に取り組まなければ万里の長城が消滅していくと警鐘を鳴らした。専門家らは、万里の長城を共同で保護するというチームを新たに立ち上げる必要があり、各担当地域の責任者の協力を求めるよう呼びかけている。
《ZN》

 提供:フィスコ

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