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【特集】ケアネット Research Memo(6):価値あるポータルサイトの構築が、会員数獲得の重要な要素に


■成長戦略

(1)市場環境

ケアネット<2150>が対面する製薬業界では、大型医薬品の特許切れ(2017年問題)や薬価改定、後発医薬品の使用促進が進んでおり、また、今後の新薬開発においても大型商品となる医薬品は少なく、オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)や再生医療分野など対象患者数が少なく、専門性の高い医薬品の開発が増えてくるものと予想されている。このため、先発医薬品を開発する製薬企業にとっては、限られた営業費用のなかで、より効率的な営業・プロモーション活動が求められるようになっている。

例えば、市場規模の大きい医薬品では担当医師の数も多いため、MRの人員も相当数必要であったが、オーファンドラッグでは担当医師も少なく、必然的にMRの数も限定されるようになる。後発医薬品の普及が進んでいる米国では、大型医薬品の特許が相次いで切れた2010年を契機として、従来13万人いたMR人員が6万に半減したほどだ。日本ではまだ後発医薬品の普及が進んでいないこともあり、MRの人員はピークの6万人から5%程度減少した程度に過ぎない。ただ、今後は日本でもMRによる面会中心のプロモーションから、インターネットや電話コールといった多様なチャネルを使うMCM(マルチチャネルマーケティング)によるプロモーションへとシフトしていくものと考えられる。

MRの人的リソースが限られるなかで、面会できる担当医師にはMRとインターネット等を使ってプロモーションをかけ、面会が困難な医師に対してはインターネットや電話を活用したプロモーションを行っていくスタイルに変わっていくことになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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