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【通貨】欧米為替見通し:豪ドルは相対的にしっかりか、中国の貿易統計受けた売りは限定的


今日の欧米市場では、豪ドルが下げ渋る展開となりそうだ。低調な中国貿易統計の内容を受けて、東京市場同様、交易関係が深いオーストラリアへの関心が高まろう。このところ堅調だった豪ドルは利益確定の売りが出やすいものの、資源価格の持ち直しが今後も見込まれることや、日銀の追加金融緩和への期待感から売りは限定的とみる。

今日午前11時に発表された中国の9月貿易収支は+3762億元と、予想の+2924億元程度を上回った。また、輸出は前年比-1.1%と、予想の-6.0%、8月の-5.5%よりは強かった。しかし、輸入が前年比-17.7%と、予想の-16.0%、8月の-13.8%を上回る結果となったことから、豪ドル売りが強まった。オーストラリアや韓国、日本など中国との貿易取引が多い国は、輸入の減少に反応しやすい。このため、豪ドル・円は87円80銭台から88円10銭付近まで買われた後、途転。87円42円まで一気に下落した。

豪ドルは欧米市場でも中国の貿易統計を手がかりに売られやすい可能性はあるが、東京市場では売り一服後、87円60銭台から70銭台で下げ渋る動きが見られた。要因として二点考えられる。一点は米利上げ時期が来年以降にずれ込むとの見方が強まっていることで、資金は米ドルから商品や資源などに向かっている点だ。豪ドルは資源関連通貨と見られていることで資金が流入しやすい状況となっている。もう一点は、30日の日銀金融政策決定会合で日銀が追加金融緩和に踏み切るとの期待感が根強いことだ。日銀の緩和期待はどの通貨も当てはまる要因だが、資源関連通貨である豪ドルはこうした二つの要因で相対的にもしっかりとした推移をみせると想定する。


【今日の欧米市場の予定】

・17:30 英・9月消費者物価コア指数(前年比予想+1.1%、8月:+1.0%)
・17:30 英・9月生産者物価指数・産出コア指数(前年比予想:+0.2%、8月:+0.1%)
・18:00 独・10月ZEW景気期待指数(予想:6.5、12.1)
・21:00 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(米経済と金融政策)

《SY》

 提供:フィスコ

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