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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):JAL、大塚商会、中外薬、大林組

■矢作建設工業 <1870>  1,115円  +48 円 (+4.5%)  本日終値
 矢作建設工業<1870>が上場来高値更新。名古屋に本拠を構える中部地区を営業基盤とする建築・土木大手で独自の耐震工法を強みに受注を伸ばしている。中部最大の名鉄グループとも密接な関係を有し、アベノミクスの主眼テーマである地方再生でビジネスチャンスが巡りそうだ。16年3月期営業利益は前期比3%増の70億円を見込むが上振れ余地があり、3期連続増配見込み。

■日本航空 <9201>  4,290円  +180 円 (+4.4%)  本日終値
 JAL<9201>、ANAホールディングス<9202>がいずれも4日ぶり反発に転じ、空運セクターは業種別値上がり率トップにランクされる一方、国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>など資源開発関連株の下げが目立ち明暗が分かれるかたちとなった。12日、北米指標であるWTI原油先物価格は2ドル53セント安の1バレル=47ドル10セントと急反落、これを受けて空運セクターは原燃料コストの低下期待から買いを集めた。特に、市場ではJALについて会社側が計画する16年3月期の営業利益1720億円(前期比4.3%減)はかなり保守的とみる声が強く、原油安を背景に200~300億円の大幅な上振れ余地が指摘されている。同社は今月30日に中間決算発表を予定しており、足もとの原油価格の下落が株高を支援する格好となっている。一方、原油価格の低下が収益面でマイナスに作用する国際帝石などの資源エネルギー関連は前週に買い戻しに株価水準を切り上げていたこともあって、利益確定の対象となった。

■扶桑化学工業 <4368>  1,480円  +61 円 (+4.3%)  本日終値
 9日、扶桑化学 <4368> [JQ] が16年3月期の連結経常利益を従来予想の58億円→65億円に12.1%上方修正。増益率が5.0%増→17.7%増に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料。主力の半導体研磨剤向け超高純度コロイダルシリカの販売が好調に推移する中、値上げ効果に加え、飲料向けに果実酸の販売が伸びることが上振れに貢献する。前日終値ベースの予想PERが11.9倍→10.4倍に低下し、割安感が強まったことも買いに拍車を掛けた。

■大塚商会 <4768>  5,830円  +220 円 (+3.9%)  本日終値
 大塚商会<4768>が全般軟調相場に抗して大きく上値を伸ばしたほか、NTTデータ<9613>、アイネス<9742>などマイナンバー関連銘柄に買いが先行。今月5日からマイナンバーの付番・通知が開始されているが、現状は法人も中小企業などを中心に対応の遅れが目立つ状況となっている。当然ながら企業はマイナンバーの管理を厳重に行う義務が生じており、それに呼応して情報セキュリティーや管理請負を手掛ける企業の商機拡大が見込まれている。大塚商会は中小企業のIT化をワンストップで提供するサービスを展開、収益成長期待が高まっているほか、情報サービス業界の大御所的存在で金融機関や官庁に実績豊富なNTTデータなども新たな切り口で存在感を増す可能性が高い。

■中外製薬 <4519>  3,755円  +120 円 (+3.3%)  本日終値
 中外製薬<4519>が続伸。ドイツ証券は9日、同社株の投資判断を「セル」から「ホールド」に引き上げた。目標株価は3300円(従来2900円)に見直した。同証券では同社を「革新的なパイプラインとロシュ製品に支えられた堅実で長期的な成長が見込める優良銘柄」と指摘。抗リウマチ薬「アクテムラ」は長期にわたる競争が予想され、血友病薬ACE910の見通しも最近明確になっている、としている。今月22日に発表される第3四半期(1~9月期)決算は、「通期計画の達成に向け順調に進捗していることを示す」と予想。主力の抗がん剤アバスチンやハーセプチン、リツキサンがそれぞれ1ケタ台半ばから後半の伸びで成長しているほか、アクテムラの国内売上高は約7%増加、海外売上高は40%増を見込んでいる。また、ACE910の治験のフェーズ3の開始(15年下期に阻害剤、16年に母集団)などがカタリストになるとみている。

■大林組 <1802>  1,117円  +34 円 (+3.1%)  本日終値
 SMBC日興証券が9日付で大林組 <1802> の投資判断「1(強気)」を継続し、目標株価を1250円→1400円に引き上げたことが買い材料視された。リポートでは、同社が16年3月期上期の連結営業利益を、完成工事総利益率の向上により、従来の210億円→410億円(同証券予想300億円)に上方修正したことを評価。また、通期計画についても上方修正する公算が大きいと予想している。同証券では、完成工事総利益率の上昇基調が続くことを踏まえ、16年3月期の連結営業利益を580億円→700億円、17年3月期は690億円→800億円、18年3月期は770億円→900億円、19年3月期は870億円→1000億円にそれぞれ上方修正した。

■東京急行電鉄 <9005>  958円  +25 円 (+2.7%)  本日終値
 東京急行電鉄<9005>が逆行高。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、鉄道運輸収入が好調さを持続し会社計画を上振れて推移していると指摘。ホテル事業において宿泊単価が会社計画以上に上昇していること、東急ストアの店舗工事予定が先送りになっていることなどから、今上期の連結営業利益は会社計画を44億円上回る396億円になると予想し、16年3月期営業利益予想を従来の701億円から710億円に引き上げ。レーティング「オーバーウエイト」を継続、目標株価を1207円から1208円に引き上げている。

■ライト工業 <1926>  1,165円  +20 円 (+1.8%)  本日終値
 ライト工業<1926>の4~6月期連結業績は、売上高181億5100万円(前年同期比9.7%増)、営業利益12億2800万円(同2.4倍)と大幅増益を達成。4~9月中間期の予想営業利益18億円に対する進捗率は68%に達しており、上方修正の可能性も。利益率の高い土木工事の売り上げが好調に伸びていることに加え、前期末段階で前の期比3割以上増加している高水準の受注残と早期着工の推進が、足もとの業績急拡大に反映し、繰越工事の施工が順調に進捗している。さらに、斜面・法面対策工事や地すべり対策工事を中心に受注も好調に推移している。

■バンナムHD <7832>  3,015円  +45 円 (+1.5%)  本日終値
 バンダイナムコホールディングス<7832>が続伸。きょうは、ゴールドマン・サックス証券が同社の目標株価を引き上げたことが確認されている。同証券は、同社のモバイルゲームの貢献により、16年3月期から18年3月期の営業利益予想を引き上げ、目標株価も2800円から3000円とした。ただ、株価に割安感はなく、海外玩具事業など、持続性の高い成長ドライバーに期待したいと解説している。投資判断は「中立」を継続している。

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