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2015年10月09日16時15分

【特集】あいHD Research Memo(7):マンション向け市場に拡大余地、賃貸向けも増加する可能性


■中長期展望

過去4年間(2011年6月期?2015年6月期)であいホールディングス<3076>の営業利益は、2,980百万円から7,118百万円へ大きく増加したが、今後3年間でもさらに成長する可能性が高そうだ。その要因は、今までも成長エンジンとして利益成長に貢献してきた「セキュリティ」と「シルエット」が引き続き伸びる可能性があることに加え、今期から本格的に販売を開始した「ラベルプリンタ」の成長と新たに連結子会社となったNBS Technologies Inc.(Canada)の寄与が期待できるからだ。

(1)セキュリティ事業

●マンション向け市場:新規だけでも成長余地はある
記述のように同社はマンション向けに特化しているが、その理由は、大手に比べて限られた営業リソースを生かすためには特化するほうが、効率が良いからである。下記に述べるようにマンション市場だけでもまだ成長余地は大きいので、あちこちの市場(向け先)へ全方位の営業展開をするのではなく、まずはこの市場を取り込むことを当面の重点戦略としているが、この戦略が功を奏している。

では同社が重点戦略としているマンション向け市場は、まだ拡大余地があるのだろうか。同社によれば、国内の既設分譲マンションは約12万棟あるが、このうち同社の監視カメラシステムを導入済みなのは既に2万棟を超えるものの、シェアとしてはわずか20%程度である。同業他社から更新需要を奪うことでシェアアップはまだまだ可能であり、同社では最終的に6万棟を目標としている。また以前はあまり注力していなかった賃貸マンション向けもまだ拡大余地はありそうだ。特に積和不動産との提携が大きな推進力となっており、今後は賃貸マンション向けも増加する可能性が高い。

●更新需要による底上げ
マンションにおける監視カメラシステムは、6年間のリースを組むことが大多数である。したがって、多くの場合6年後には新たに更新需要が発生する。むろんリース満了を迎えたすべての顧客(管理組合)が引き続き同社との契約を更新するわけではなく、同社によれば約10%は他社へ切り換え、約90%は同社との契約を更新するそうだ。したがって、累積での契約件数を増やすことで、6年ごとに再需要が発生することになり、この更新需要がマンション向け契約数を底上げしている。

●法人向け市場も追い風
現在ではマンション向けに特化しているが、昨今では下記のような法人向け市場も伸びる可能性が高くなってきた。さらに販売面でも情報機器メーカーの大手であるリコーの販売会社が同社の販売代理店になったことで法人向けも引き続き伸びていく可能性が高い。

▲公共施設
強盗や通り魔事件などの凶悪犯罪の多くが、監視カメラの映像を分析することで解決しており、今後も駅、空港、イベントホールなどの公共施設・場所には多くの監視カメラが設置されると予想される。また準公共施設である商店街、街中、駐車場、マンション等でも同様の理由により監視カメラ設置の傾向は強まると予想される。

▲企業設備
以前から監視カメラを設置している小売企業(スーパーやコンビニエンスストア等)に加えて、最近では金融機関での不正や食品工場での毒物混入、さらには個人情報持ち出し事件などの影響もあり、企業内(オフィス、工場等)でも監視カメラを設置する傾向が強まっている。また監視システムを既設の企業においても、監視用カメラの台数を増やす傾向が強まっている。

以前は「プライバシー保護」の点から監視カメラの設置を躊躇する団体や企業が多かったが、近年では「犯罪防止」の機運のほうが高くなっており、同社のセキュリティ事業にとっては完全に追い風だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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