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【通貨】欧米為替見通し:英中銀の見通しが弱気でもポンドは底堅い


今日の欧米市場では、英国政策金利の発表を控えていることからポンドの動向が注目されよう。英中央銀行の金融政策委員会で弱気な見通しが示されると見られており一時的にポンド売りに振れそうだが、足元の原油価格の回復や日銀による追加金融緩和への期待などを背景にしっかりの展開を想定する。

英中銀は日本時間20時に政策金利と議事要旨を発表する。市場コンセンサスは、政策金利を0.50%に据え置き。一方、注目の声明では、成長とインフレについて弱気な見方を示す可能性がある。

英国経済に不透明感が増していることがその要因として挙げられる。今月1日に発表された英国の9月製造部門購買担当者景気指数(PMI)は51.5と、13年4月(50.5)以来の低水準となった6月(51.4)並みに悪化。また、5日に発表された9月のサービス部門PMIは53.3と、13年4月(52.9)以来の低水準となった。こうした弱い経済指標を受けて、利上げ時期を探る動きは後退している。

しかし、こうした低調な経済指標はポンドの値動きにはさほど反映されていない。9月16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが先送りされると、英国の利上げ時期は米国よりもさらに後退するとの見方から、ポンドは売られやすい地合いが続いたが、足元の安値である9月上旬の水準で下げ止まっている。

ポンドの相場変動要因は複数考えられるが、足元では原油価格が持ち直していることがポンドの値動きに強く影響しているようだ。また、日銀の10月追加金融緩和の観測も下値を堅くしている。さらに、利上げが遠のいたドルは買い材料に乏しいことから、買い材料が多いポンドの方が相対的に強含むとの見方もできよう。本日辺り、上値抵抗ラインの25日移動平均線を上抜くかもしれない。


【今日の欧米市場の予定】

・20:00 英中銀が政策金利・議事要旨発表 0.50% 0.50%
・20:00 南ア・8月製造業生産(前月比予想:+0.5%、7月:+0.3%)
・20:30 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:27.4万件、前回:27.7万件)
・22:30 ブラード米セントルイス連銀総裁あいさつ(預金関連シンポ)
・02:00 米財務省30年債入札(130億ドル)
・02:00 コチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁あいさつ
・03:00 米FOMC議事録公表(9月16-17日分)
・04:30 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁講演(経済見通し)
・G20財務相・中銀総裁会議(ペルー・リマ)

《SY》

 提供:フィスコ

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