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【特集】テックファーム Research Memo(1):EBEの寄与や不採算案件の削減で増益達成へ


テックファームホールディングス<3625>は、モバイル関連のアプリケーションソフトやWebサイトの開発を手掛けるテックファーム(株)を中心に、米カジノ向け電子決済事業を展開するPrism Solutions Inc.(以下、Prism)、2015年3月に子会社化した自動車アフターマーケット向け業務支援システムの(株)EBEを傘下に置く持ち株会社となる。

8月14日付で発表された2015年6月期の連結業績は、売上高が3,957百万円、営業利益が42百万円となった。当期は11ヶ月の変則決算のため前期比較はないが、ソフトウェア受託開発事業の伸長とEBEの業績寄与により、売上高は6期連続増収、過去最高を更新している。一方、利益は比較的規模の大きい不採算案件が発生したことにより、減益となっている。

2016年6月期業績は、売上高が5,000百万円、営業利益が150百万円と増収増益となる見通し。EBEの業績がフル寄与することに加えて、ソフトウェア受託開発事業の不採算案件の削減を進めることで増益を達成する。2015年7月より全社横断的なPM専門チームを組織化し、受注見積もり段階から進捗管理まで1つの組織で管理、また工数と工程を管理するシステムも導入し、不採算案件の削減を進めていく考えだ。

同社の業績は今後、新たな成長ステージに入るものと予想される。今までの主力事業であったソフトウェア受託開発事業を安定収益基盤としつつ、成長性の高い新規事業が今後相次いで立ち上がるためだ。EBEで展開する自動車アフターマーケット事業のほか、ホテル向け「ee-TaB*」事業、米国でのカジノ向け電子決済サービス事業などがそれに当たる。これら事業はストック型のビジネスモデルとなるため、一旦収益化すれば着実な収益拡大が見込めることになる。このうち、米カジノ向け事業に関しては、2016年前半にフィールドテストを開始し、2017年6月期からの本サービス開始を予定しており、その動向が注目される。

■Check Point
・システム開発投資が旺盛、主力ソフトウェア受託開発事業は順調に拡大
・安全性は健全な水準を維持、収益性の向上に期待
・内部留保を確保しつつ業績に対応した配当を行う

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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