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【特集】<話題の焦点>=後発医薬品の市場拡大加速、2020年に80%目指す

 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉が大筋合意となり、焦点だったバイオ医薬品のデータ保護期間が大幅に短縮されることは、後発医薬品市場全般の拡大に追い風となりそうだ。

 政府は、後発医薬品の使用割合の目標達成時期を、従来の「2020年に80%以上」から「18~20年度までのなるべく早い時期に80%以上」と前倒し、「17年半ばに70%以上」という中間目標も設定している。

 さらに政府は、後発医薬品の供給を拡大するため、新薬メーカーにも製造を要請する方向で検討している。後発医薬品は、特許が切れた新薬と効き目や成分が同様である薬品のこと。既に新薬として承認を受けた段階で安全性や有効性が証明されていることから、新たな臨床実験を必要としないため、開発費用が大幅に低減され、薬価を新薬の40~70%まで引き下げることが可能だ。後発医薬品の国内での普及率は現在50%程度にとどまっている。

 沢井製薬<4555>の16年3月期の連結業績は、売上高1240億円(前期比17.6%増)、営業利益220億円(同6.3%増)を見込む。大型抗血小板剤などの後発品6成分11品目を6月に発売。さらに、18年3月期の中期経営計画では、最終年度の業績目標を売上高1470億円、営業利益250億円、純利益170億円を見込む。

 日医工<4541>の16年3月期連結業績は、売上高1372億円(前期比8.0%増)、営業利益125億円(同29.9%増)と、連続30%程度の大幅増益を見込む。富山県に抗がん剤後発薬の開発・生産拠点新設し、年内に着工予定。

 東和薬品<4553>の4~6月期の連結営業利益は、30億1200万円(前年同期比43.5%増)と好調。今年4月から岡山工場の生産能力増強のための設備投資を行っている。富士製薬工業<4554>の15年9月期通期の連結業績は、売上高320億3000万円(前の期比9.6%増)、営業利益35億9000万円(同13.1%増)と増収増益となった模様。下期以降も尿路・血管造影剤「オイパロミン」などの回復、13年12月に製造販売承認の承継及び販売移管を受けた新薬5製品の通期寄与が貢献している。

◆主な後発医薬品関連銘柄

 銘柄<コード>   営業増益率    PER    株価

日医工<4541>    29.9   23.0   3080
東和薬品<4553>    3.6   15.6   7540
富士製薬<4554>   13.1   13.3   1978
沢井薬<4555>     6.3    6.3   7040

※株価は2日終値(単位:%、倍、円)


出所:株経通信(株式会社みんかぶ)

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