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【経済】世界は金融緩和相場に逆戻り


先週末に発表された米国の9月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が14万2千人増となり、堅調とみていた市場予想の20万3千人を大きく下回る結果だった。より衝撃的だったのは、7月8月分についても大きく下方修正されたことだ。
 これで世界経済が減速しつつあるなかで米国経済だけが堅調さを保つというシナリオは幻想であったことが明確となったといえよう。
 米連邦準備制度理事会(FRB)は米国経済は回復基調にあるとして金利の引き上げ=正常化を志向してきたが、従来示唆していた「年内利上げ」は困難となった。
 むしろ、世界経済の減速にともなって米国経済も減速して行くなら、利上げはずっと先延ばしになり、次の金融政策は利上げではなく再度の金融緩和となるかもしれない。
 欧州は景気低迷・デフレ懸念から欧州中央銀行(ECB)がすでに追加緩和を強く示唆している。日本も物価が再度低下し始め、GDP成長率が2期連続のマイナスに落ち込む懸念から日銀による追加緩和が取り沙汰されている。景気減速が鮮明になりつつある中国はもとより次の金融政策は緩和しかない。
 最近の世界経済の減速傾向から、米国から順番に主要国の金利が正常化して行くというシナリオは崩れ、再度世界は金融緩和政策を継続しなければならなくなった。世界経済にとってはアベノミクス第二幕よりも、金融緩和相場第二幕のほうが重要である。
 従前のシナリオを破棄して頭を切り替えて行く必要がある。
《YU》

 提供:フィスコ

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