市場ニュース

戻る
 

【市況】ユーロ週間見通し:もみあいか、欧米やアジアの株価動向を見極める展開


■下げ渋る、米利上げ先送りの思惑も

先週のユーロ・ドルは下げ渋った。9月のユーロ圏インフレ率が鈍化したことで欧州中央銀行(ECB)は量的緩和策を強化するとの思惑が浮上した。ユーロは一時1.11ドル台前半まで売られたが、2日発表の9月米雇用統計は予想を大きく下回り、年内利上げの可能性は低下したことでユーロを買い戻す動きが広がった。取引レンジは1.1135ドル-1.1319ドル。

■伸び悩みか、量的緩和策長期化の思惑は後退せず

今週のユーロ・ドルは弱含みか。米国の年内利上げに対する懐疑的な見方が浮上しているが、欧州中央銀行(ECB)による量的緩和策は長期化するとの見方が残されており、ユーロは伸び悩む可能性がある。ユーロ圏小売売上高やドラギ欧州中央銀行総裁の記者会見、欧州中銀理事会の議事要旨公表が注目される。経済情勢の認識などで量的緩和継続の方向性が示されるようだとユーロ売りにつながりやすい。

・予想レンジ:1.1050ドル-1.1300ドル

■弱含み、ユーロ圏の金利先安観が広がる

先週のユーロは対円で弱含みとなった。ユーロ圏の金利先安観は後退していないことやドル・円相場がやや円高方向に振れたことが要因。ドイツの輸出減少への懸念やユーロ圏における難民増加もユーロ売り材料となったようだ。取引レンジは133円44銭-135円12銭。

■もみあいか、欧米やアジアの株価動向を見極める展開

今週のユーロ・円はもみあいか。量的緩和の継続方針のユーロは売られやすい状態が続くが、日本銀行による追加緩和の思惑が浮上しており、円売りがただちに縮小する状況ではないとみられる。ただし、欧米やアジアの株価が大きく下げた場合、リスク回避のユーロ売り・円買いが増える可能性があり、注意が必要か。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・6日:8月ユーロ圏小売売上高(前月比予想:-0.1%、7月:+0.4%)
・8日:欧州中央銀行(ECB)の理事会議事要旨公表

・予想レンジ:133円00銭-136円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均