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【特集】フジコー Research Memo(7):16/6期は増収増益を見込む、バイオマス発電施設は来年5月に本格稼動


■決算動向

(3) 2016年6月期の業績予想

2016年6月期の業績予想についてフジコー<2405>は、売上高が前期比7.5%増の2,760百万円、営業利益が同1.8%増の350百万円、経常利益が同6.5%増の310百万円、当期純利益が同19.2%増の190百万円と増収増益を見込んでいる。

前期同様、建設系リサイクル事業をやや保守的に見ている一方で、今期(2016年6月期)から営業開始する森林発電事業が業績の伸びをけん引する見通しである。なお、営業外費用が大きく減少する予想となっているのは、森林発電事業に係る設備投資により有利子負債残高が増加している一方で、同社単体における借入金の削減と低金利のシンジケートローンへの一本化によるものである。

事業別の業績予想は以下のとおりである。

建設系リサイクル事業は、売上高を前期比2.5%減の2,103百万円、売上総利益を同3.8%減の603百万円と減収減益を見込んでいる。前期の期初予想と同様、各施設がフル稼働に近い状況にあることに加え、外部委託費も高騰していることから受入数量制限の可能性とその影響を保守的に見ている。したがって、スムーズな受入れによる数量確保が可能となれば、業績の上振れ要因となる可能性もあろう。また、売電売上についても、売電単価の向上等により好調に推移する想定となっている。

食品系リサイクル事業は、売上高を前期比1.2%減の255百万円、売上総利益を20百万円(前期は2百万円の損失)と緩やかな減収及び黒字転換を見込んでいる。需要の拡大している液状飼料の販売拡大(前期比約10百万円増)と、それに伴う受入数量の拡大による受入売上の増加(前期比約54百万円)が業績の伸びをけん引する想定となっている。特に収益性の高い飼料化の受入数量の回復は、損益改善に大きく貢献するものとみられる。

白蟻解体工事は、売上高が前期比2.7%減の146百万円、売上総利益を3百万円(前期は1百万円)と見込んでおり、おおむね前期実績並みの業績が継続する見通しである。

一方、今期より営業開始予定の森林発電事業は、売上高を256百万円、売上総利益を42百万円(前期は34百万円の損失)と見込んでいる。ただ、そのうち、中核となるバイオマス発電については、発電施設が計画どおりに2月に完成するものの、本格稼働は5月頃を予定しており、今期の売上貢献は約156百万円にとどまる見通しとなっている。一方、残りの分(約100百万円)については、地元の岩手県(二戸郡一戸町)の小水力発電施設(大志田ダム発電所)※からの電力購入と一戸町への電力販売によるものである。こちらは2015年8月より電力購入を開始し、10月から一戸町役場や一戸町関連施設への電力販売を開始する計画のようだ。
※農林水産省が設置したもので農業用水の供給を目的としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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