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【通貨】欧米為替見通し:FRB議長の「一貫性欠く」スタンスが上値を抑える展開


今日の欧米市場は、ドル買い方向だが上値は重くなりそうだ。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が24日の講演で年内利上げに改めて意欲を示したことがドル買いの背景と言えよう。ただ、前週のハト派的な見解とは一貫していないとの声も市場関係者から聞かれていることから、ドル買い一辺倒の相場展開は想定しにくい。

イエレン議長は24日の講演で「インフレが引き続き安定的に推移し、米国経済が雇用拡大に向け力強い状態なら、年内に利上げを開始する」との考えを示した。また、米国経済の見通しについては「総じて堅調」としたうえで「自身を含めたFOMCメンバーの大半が現時点で、完全雇用と物価安定の達成が年内の利上げにつながる可能性が高いと考えている」と述べた。

ある邦銀関係者は「米利上げは先送りされたが、FRBはもともと年内利上げの方向なので、イエレン議長の発言にサプライズはない」と話す。このため、議長から改めて年内利上げの方向性が示されたことから、10日につけた9月高値の121円33銭を目指す展開は期待できよう。

一方、この邦銀関係者は「イエレン議長は前週のハト派的な内容から一転してタカ派的になっており、そのスタンスには一貫性が感じられない」と指摘する。16-17日のFOMC後の記者会見で、イエレン議長は10月利上げの可能性を残しながらも「ゼロ金利を維持する可能性を完全には排除しない」などと述べ、市場にはハト派的と受け止められた。FRB議長の軸足が定まらなければ年内利上げの信ぴょう性まで薄れさせる。イエレン議長の発言が17日の軌道修正を狙ったものなら、かえってドルの重しとなろう。


【今日の欧米市場の予定】

・21:30 米・4-6月期国内総生産(GDP)確定値(前期比年率予想:+3.7%、改定値+3.7%)
・22:15 ブラード米セントルイス連銀総裁が討論会参加(金融政策関連)
・22:45 米・9月サービス業PMI速報値(予想:55.6、8月:56.1)
・23:00 米・9月ミシガン大学消費者信頼感指数確定値(予想:86.5)
・02:25 ジョージ米カンザスシティー連銀総裁講演(経済と金融政策)
・米中首脳会談予定

《SY》

 提供:フィスコ

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