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【市況】米国株式市場見通し:地区連銀総裁やイエレン議長の講演に注目


先週のFOMCでは、世界経済及び金融動向への懸念や、低迷するインフレ率を理由に政策金利が据え置かれた。年内利上げの可能性は残されたものの、中国など海外情勢の不透明感が即座に払拭される可能性は低いとの見方から、市場では利上げが来年に持ち越されると予想する向きが優勢となってきている。FRB当局者の中でも16年以降の利上げを支持する人数が7月開催時から増加した。今週は、サンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁(19日)、セントルイス連銀ブラード総裁(19日・25日)、アトランタ連銀ロックハート総裁(21-23日)、イエレンFRB議長(24日)、カンザスシティ連銀ジョージ総裁(25日)など連銀関係者の講演が数多く予定されており、現在の経済状況に関する彼らの発言が株価に反映される展開となるだろう。

20日にはギリシャ総選挙が実施される。チプラス首相が債権団による債務削減策などを受け入れたことによる反発から与党の急進左派連合と野党の新民主主義党との支持率は拮抗しており、連立政権になるとの見方が強い。欧州連合(EU)による金融支援の条件となる緊縮策の受け入れは維持する見通しであるが、総選挙後の連立交渉が難航した場合、7月に合意した第3次ギリシャ支援の条件実行が遅れたり、実行が困難になる可能性もある。

経済指標では、8月中古住宅販売件数(21日)、8月耐久財受注(24日)、8月新築住宅販売件数(24日)、4-6月GDP確定値(25日)などの発表が予定されている。8月耐久財受注額では、設備投資の先行指標となる非国防資本財受注から製造業の景気動向を確認したい。また、4-6月GDP確報値ではGDPの3分の2以上を占める個人消費の拡大を確認できるかが焦点となるだろう。

個別企業では、住宅建設会社のレナー(21日)、食品メーカーのコナグラ・フーズ(22日)、スポーツ用品のナイキ(24日)、家庭用品小売のベッド・バス・アンド・ビヨンド(24日)などの決算が予定されている。ナイキの3-5月期決算では 新商品の発売が奏功したほかファッショントレンドの変化による需要拡大を受け、堅調に推移したものの、世界全体の予約注文残高(6月から9月までの出荷予定分、為替変動の影響含む)は12-2月期と同様に低調となり、ドル高による受注額の落ち込みが明らかとなった。6-8月期もドルが高止まりしており、注意が必要だ。また、25日には携帯端末のアップルの新製品「iPhone 6s」シリーズが10ヶ国で販売開始となる。

《TM》

 提供:フィスコ

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