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【特集】<話題の焦点>=シカゴ通貨先物、円売り建てが急減少

 為替市場で円売り建て(ショート)のポジションが急減少している。

 米商品先物取引委員会(CFTC)が11日発表した8日時点のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)・国際通貨市場(IMM)での円通貨先物(非商業部門)の売越幅は、前の週比8893枚少ない6662枚だった。

 この数字は、ヘッジファンドなど投機筋の売買を映すとして関心が高いが、6月9日時点の今年のピーク11万6286枚から急減。今後の状況次第で「近く円買い建て(ロング)への転換の可能性も」(市場関係者)と指摘されている。

 もし円ロングへ転換すれば、2012年10月以来のことで「安倍氏の首相就任後、初めて」(アナリスト)となる。円ショートは、円の先安観を示しており、アベノミクスのもと一貫して売り残が膨らんでいた。今回の円ショートの急減は、中国ショックによる買い戻しの要因が大きいとみられているが、市場の関心は、円安トレンドに変化が出るかだ。

 もっとも市場には、円ロングに転じたとしても「一時的なものにとどまる」(同)との見方が少なくない。「投機筋が本腰を入れて円買いに転じることは考えにくい」とされ「むしろ円売りの余地が拡大した」(同)との見方も出ている。

 シカゴ市場での円ポジションの動向は注目だが、もし円高が進行するようなら、原油やパルプの輸入が多い東京電力<9501>や王子ホールディングス<3861>のような電力・紙パ株、ニトリホールディングス<9843>のような輸入比率が高い小売り銘柄などが注目されそうだ。


出所:株経通信(株式会社みんかぶ)

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