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【特集】アドベンチャー Research Memo(6):ニッチな市場で独自のポジショニングを確立


■業界構造

フォーカスライトJapanの調査によれば、国内線の市場規模(2013年度)は約2兆2,000億円であり、そのうちオンライン市場は約1兆円規模と推定されている。ただ、国内線のオンライン市場は、80%強をJALやANAといった大手航空会社の直販が占めているところに特徴がある。これは、大手航空会社が直販を重視してきたことを反映するもので、最近ではLCCの参入により国内線のOTA市場も伸びているものの、全体からすればまだまだ小さいと言える。また、アドベンチャー<6030>のようにLCCだけでなくJALやANAを含めてすべての国内線を取り扱っている同業他社(パックを除く)は上場会社には存在しない。大手航空会社における直販政策の動向が、同社にとっても何らかの影響を及ぼす可能性は否定できないが、その一方で、直販比率の高さが他社の参入を阻んできたとの見方もできるため、同社がニッチな市場で独自のポジショニングを確立できた要因の1つにもなっているとも考えられる。

一方、今後のOTA市場の動向に大きな影響を与えるLCCについては、航空会社数の増加とともに、路線数も順調に拡大している。ただ、2014年の国内LCC比率は7.5%であり、北米(30%)、西欧(39%)、中南米(32%)、東南アジア(52%)に比べて極めて低い水準にとどまっている(国土交通省)。
※海外のLCC比率については、2012年のLCC座席シェア比率(座席キロベース)

また、同社が事業領域の拡充をもくろむ旅行市場全体(宿泊を伴う国内旅行にかかる、宿泊施設及び運送機関の総販売額)で見ると約8兆7,000億円の大きな市場を形成しているが、そのうちOTAによる取扱高は約1兆1,000億円規模であり順調に伸びている。OTAの上位には、楽天トラベル、リクルート(じゃらん)を2大勢力として、i.JTBや一休<2450>などが存在する(フォーカスライトJapan)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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