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【市況】新興市場見通し:中小型株への資金流入で堅調推移、ピクスタなど3社IPO


先週の新興市場は、外部環境の不透明感や週末のSQ(特別清算指数)を巡る思惑から株式相場全体が値動きの荒い展開となるなか、大幅反発となった。週初は日経平均に連れ不安定な状況が続いたが、9日に日経平均が1300円を超える記録的上昇を見せるとマザーズ指数も急伸した。週末にかけては、SQを通過して日経平均がこう着感を強めるなか、値動きの軽いマザーズ銘柄に個人投資家の物色が向かった。結局、週間の騰落率は、日経平均が+2.7%であったのに対して、マザーズ指数は+7.1%、日経ジャスダック平均は+1.7%だった。

個別では、マザーズ主力のミクシィ<2121>が週間で9.8%高と堅調だった。また、ペプチドリーム<4587>など時価総額上位のバイオ株の一角が同10%超の上昇となり、指数をけん引した。ジャスダックでは、ガンホー<3765>が同12.9%高、クルーズ<2138>が同33.5%高とゲーム関連の主力銘柄が大きく上昇。ガンホーは東証1部への市場変更を発表している。また、クルーズは主力ゲームの好調が材料視されているようだ。その他では、直近IPO銘柄のベステラ<1433>が引き続き値を飛ばしたほか、マザーズではナノキャリア<4571>やアスカネット<2438>、ジャスダックでは日本エマージェンシーアシスタンス<6063>やシンデン・ハイテックス<3131>といった個別材料株の上昇が目立った。テーマ株では、日本郵政グループの上場承認を前に、テラスカイ<3915>、アイフリークモバイル<3845>、エイジア<2352>などの関連銘柄に物色が向かった。また、地盤ネットHD<6072>など災害対策関連銘柄が買われる場面もあった。IPOでは、8日にJESCO HD<1434>が東証2部へ新規上場した。IPO人気の高まりにくい東証2部上場案件だが、公開価格を上回るしっかりした初値形成となった。

今週から来週にかけての新興市場は、リバウンド基調が継続しそうだ。主力大型株では16日から17日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとするムードが強まり、中小型株への資金流入が続くだろう。マザーズ指数は目先、25日線水準まで戻りを試す展開が想定される。

今週から来週にかけては、14日にエニグモ<3665>、サンバイオ<4592>、ファーストロジック<6037>などが決算発表を予定している。また、注目イベントとしては、17日から20日にかけて開催される「東京ゲームショウ2015」等のゲームイベントが挙げられ、引き続きクルーズなどの関連銘柄に関心が集まりそうだ。なお、16日には8月訪日外国人客数の発表があり、インバウンド関連銘柄の動向を注視したい。

IPO関連では、14日にピクスタ<3416>、15日にアイビーシー<3920>、17日にブランジスタ<6176>がいずれもマザーズへ新規上場する。3社とも公開規模は中程度といったところだが、ビジネスモデルのユニークさや成長期待から人気は高く、堅調な初値形成が見込まれる。なお、先週はネットメディアとして比較的知名度の高いAppBank<6177>(10/15、マザーズ)に加え、日本郵政グループ3社(日本郵政<6178>、かんぽ生命保険<7181>、ゆうちょ銀行<7182>)の上場承認が発表された。3社合計の売出額は1兆3876億円(想定売出価格ベース)に上り、NTT<9432>以来の大型IPOとなる。11月4日の上場まで盛り上がりを見せそうだ。

《FA》

 提供:フィスコ

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