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【経済】中国:15年新車販売はマイナス成長の可能性も=汽車工業協会


中国の新車販売が減速感を増している。業界団体の中国汽車工業協会が10日発表した今年8月の新車販売台数は、前年同月比3.0%減の166万4500台に低迷し、5カ月連続で前年水準を割り込んだ。景気の減速や国内株安による逆資産効果で、買い控えの動きが広がっている。同協会副秘書長の師建華氏はこの日、今年通年の販売台数がマイナス成長に沈む可能性もあると発言。「まだ断言はできない」としながらも、一段の販売冷え込みに警戒感を示した。前年割れを防ぐため、業界支援措置を検討中と明らかにしている。明報が11日伝えた。
仮に今年の新車販売が前年の実績を割り込んだ場合、自動車市場が急成長した1990年代以降で初めてのマイナス成長に陥る格好だ。金融危機が世界経済を直撃した2008年当時でも、中国の新車販売は6.7%増を確保していた。
汽車工業協会の統計によると、1~8月の累計販売台数は1501万7200台と、前年実績をわずかに下回っている(前年同期は1501万7300台)。同協会は7月時点で、今年の新車販売予想を下方修正。当初予想の7%増から、3%増へと見通しを引き下げた。
なお、8月の販売台数のうち、乗用車は前年同月比3.4%減の141万8500台。3カ月連続でマイナスに沈んだ。車種別では、スポーツ多目的車(SUV)が安定的に増加したものの、セダン、クロスオーバー、ミニバン(MPV)は減少が続く。販売台数はSUVが45.6%増の45万3200台、セダンが16.4%減の76万1600台、クロスオーバーが29.1%減の7万1000台、MPVが9.1%減の13万2700台で推移した。このほか、商用車も0.6%減の24万6000台と振るわなかった。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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