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【市況】休暇明けの海外勢には割安感が強く映るか/ランチタイムコメント


 日経平均は大幅に反発。988.12円高の18415.20円(出来高概算12億9000万株)で前場の取引を終えた。レイバーデーの祝日明けの米国市場では、NYダウが390ドル高となった。中国・上海指数が5日ぶりに反発となったほか、これを受けて欧州市場が軒並み上昇したことが好感された。ギャップ・アップで17700円を回復して始まると、その後も上げ幅を広げ、節目の18000円を回復。さらに上海が上昇して始まったことが買い安心感にもつながり、ショートカバーも交える格好から更に上げ幅を拡大させている。
 東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1800を超えており、全体の98%を占めている。規模別指数では大型、中型、小型株指数ともに大幅に上昇しており、大型、中型株指数の上昇率は4%を超えている。日経平均構成銘柄では、ファーストリテ<9983>、KDDI<9433>、ファナック<6954>、京セラ<6971>、ソフトバンクグ<9984>などがけん引。一方で、東芝<6502>のみがマイナスだった。

 都内で開かれたメリルリンチ日本証券のセミナー向けに出した、安倍首相のメッセージが関係者の話題となっている。メッセージでは、「今こそ日本に投資すべき時だ」「日本を成長が持続できる国に変えるのが私の仕事」「目標を達成するために経済を最優先課題として、確実に一歩ずつ前進を続けていく」とした。また、TPP交渉について「あと1回の閣僚級会合を開けば懸案事項の合意が可能な段階」との認識を示したようである。欧米市場の上昇に加えて政策期待が高まる中、現在のボトム水準からの自律反発を意識した資金が集中した格好。また、レイバーデーの祝日明けで海外勢の参加者が増えるなか、足元での大幅な下げによって、割安感なども意識されている。
 日経平均は直近で3000円程度下げており、感覚的には3分の1戻しといったところ。自律反発の域ではあるが、ボリンジャーバンドではバンドが収れんしていた8月半ば以来の-1σを上回ってきている。18000円辺りでの踏ん張りをみせて支持線に変えてくるようなら、もう一段のリバウンドが意識されやすい。9月の米利上げを織り込む流れから、次第にアク抜けへの思惑、そして自律反発狙いといった流れの中、押し目買い意欲も強まってきそうだ。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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