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【特集】【中国の視点】ドイツ:真偽難民の判断に頭を抱える、労働力不足解消の狙いも


ドイツは今年1-7月、20万件の難民申請を受け付けた。うち44%はバルカン半島からの難民申請となった。内訳では、コソボ、アルバニア、セルビアの3カ国で約7万1000人、シリアは約4万2000人だった。また、今年はドイツへの難民流入者数は80万人になるとも予測されている。

ドイツ銀行の試算では、80万人を受け入れた場合1年の予算支出が72億ユーロ(約9504億円)になるという結果が示された。難民へのドイツ政府の手厚い待遇を受け、難民を紛れ込んでドイツに入国したバルカン半島の人々は後をただないと報告されている。

こうした状況を受け、ドイツ政府は2014年、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニアなどを安全国家リストに組み入れた。ドイツは安全国家の国民に対し、原則的に難民の申請を拒否しており、こうした国々の難民認定率は1%まで低下している。

一方、人手不足に悩んでいる産業界では、移民の受け入れを歓迎している。中でもシリア難民の中で中高等教育を受けた人が多いため、すぐにでも労働力として使えると指摘されている。

なお、急速に進んでいるドイツの高齢化問題が深刻な労働力不足を引き起こしている。今年7月までに58万9000人の労働力不足が報告されている。向こう30年ドイツの労働人口はさらに半減すると予測され、本格的な高齢者社会がこれからやってくると指摘されている。
《ZN》

 提供:フィスコ

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