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【経済】米国は金利引き上げ、欧州と日本は追加緩和という奇妙な状況となるのか?


 欧州中央銀行(ECB)は3日、2015年から2017年までのユーロ圏の成長見通しを引き下げた。2017年の成長見通しは前回発表の2.0%から今回は1.8%へ、インフレ見通しは1.8%から1.7%に下方修正された。

 ドラギECB総裁は会見で「ECBはQEで規模や期間を変更することが可能である」と述べており、量的緩和策の強化、長期化の思惑が広がったことで3日の欧米市場ではユーロ売りが優勢となった。

 市場関係者の間では、ECBによる量的緩和策の強化は米国の利上げに対応することが主な目的ではないか?との見方が出ている。米国は年内に利上げを開始すると予想されているが、これによって世界の市場流動性が著しく低下した場合、新興国市場などは大きな影響を受ける可能性がある。

 ECBによる追加緩和は、この影響をある程度抑えることができるとみられている。ECBが追加緩和に動いた場合、日本銀行も追随するとの声も聞かれている。ECBも日本銀行もインフレ率2%を目標にしているが、2016年末時点でも目標達成は困難な状況となっており、追加緩和を行う言い訳にはなりそうだ。
《MK》

 提供:フィスコ

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