【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】
「反発相場の浅い押しを拾う!」
●教科書通りの「底打ち」型に
株のチャートには裏切られることもあるが、今回は違った。何の話か? 「三空叩き込み」のことだ。
株価のチャートが「三空叩き込み」の形になると、下げ続けた相場も底を打つ、――昔から相場の世界ではこう言われていて、まさしく今回はその通りになった。
日経平均株価は8月18日から下落を開始、同26日1万7714円の安値をつけて回復に転じた。その間にまずは小さな窓が二つ開いた。それに続いたのが21日から25日にかけての大きな窓3つ。
これはまさしく「三空叩き込み」の形になっていて、そこで果たして底を打つかどうか。興味津々で見守った結果は、ご存じの通り翌日からの反発となった。教科書通りの展開であり、「三空叩き込み」の有効性が改めて確認された格好だ。
そして実はもう一つ、有効だった底値判断法がある。底値圏での大出来高だ。今回は8月25日、東証1部の出来高は47.4億株に達した。8月の日々の出来高は20億株に届かない日が多かったのに比べると、驚くほどの増加になる。株価が急落し、大出来高になった。株の教科書では、これも底打ちの有力な判断法の一つになる。
●成功した「自律反発待ち」戦略
ところで、私の前回の原稿を覚えてもらえているだろうか。
「(ここで)どうするか。自律反発を待つ。これ以外に方法はないし、また良策でもある。あまりの下げに耐えられなくなり、持ち株を投げる。こうしたくなるのが普通だが、大抵それは後日後悔することになる。安値で叩き売った。こういうことになるからだ。そのためいまは、パニック売りによる下げに歯を食いしばって耐える。これがお勧めの策になる」――こう書き、それで良かったことになるのではないだろうか。
では、底値から反発したこの状況ではどう対応するか。目先反発が急なため、戻り売りが出やすくなる。それを想定して、浅い押しを計算に入れ、そこを拾う作戦が有効だ。
具体的な銘柄としては、アシックス <7936> 、アニコムHD <8715> 、モノタロウ <3064> 、内田洋 <8057> 、そして東証2部にも目を向ければヨネックス <7906> [東証2]が魅力的だ。
2015年8月28日 記
●北浜 流一郎(株式アドバイザー)
慶応大学商学部中退後、コピーライター、週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ。マネー誌、証券紙などの株式欄を担当し、ラジオ番組でも活躍。
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