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【特集】<話題の焦点>=バイオ後続品、医療費抑制で成長軌道へ

 バイオ後続品(バイオシミラー)が市場の注目を集めている。

 バイオシミラーはバイオ医薬品の後発薬に相当するもので、特許の切れたバイオ医薬品と同等の効果を持つ医薬品のことを意味する。

 一般にバイオ医薬品は高い有効性が期待できるものの高価であるのに対し、バイオ後続品は価格をより割安に抑えることができる。バイオ医薬品は、急速に使用が増加しており、バイオ後続品に対しても、一般の後発薬(ジェネリック)と同様に医療費削減の流れのなか、普及促進が図られている。

 バイオ後続品の本格的な普及はこれからだが、みずほ銀行では日本国内でのバイオ後続品の市場規模は2014年から20年にかけ約5倍の9億ドル(約1120億円)に成長するとも予想している。特に今後、大型バイオ医薬品の特許切れが相次ぐため、バイオ後続品の開発競争が活発化する見込みだ。

 日本化薬<4272>はリウマチ治療薬「レミケード」の後続品を昨年11月に販売。日医工<4541>も同薬の後続品の販売承認を9月にも厚生労働省に申請する見通しだ。

 富士フイルムホールディングス<4901>と協和発酵キリン<4151>はバイオ後続品に特化した合弁会社「協和キリン富士フィルムバイオ」を設立している。持田製薬<4534>や明治ホールディングス<2269>などもバイオ後続品を展開している。

 バイオベンチャー系では、ジーンテクノサイエンス<4584>やJCRファーマ<4552>などがバイオ後続品に注力している。

◆バイオ後続品の事業展開の例

 銘柄<コード>       コメント

協和キリン<4151>    富士フイルムと合弁会社設立
日本化薬<4272>     昨年11月にリウマチ薬のバイオ後続品発売
持田製薬<4534>     米ファイザーのリウマチ薬の後続品を開発中
日医工<4541>      リウマチ薬のバイオ後続品の発売目指す
JCRファーマ<4552>  腎性貧血治療薬のバイオ後続品など展開
ジーンテクノ<4584>   バイオ後続品のパイオニア目指し事業展開
富士フイルム<4901>   協和発酵キリンと合弁会社設立


出所:株経通信(株式会社みんかぶ)

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