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【市況】為替週間見通し:もみあいか、9月利上げの確度を見極める展開


■ドルはやや強含み、米雇用情勢の回復継続で9月利上げ期待高まる

先週のドル・円はやや強含み。9月利上げ観測は後退せず、ドルは7日の欧米市場で一時125円07銭まで買われた。5日発表された7月の米ADP雇用統計が予想を下回ったことでドル売りが優勢となる場面があった。しかしながら、その後発表された7月ISM非製造業景況指数(総合)が10年ぶりの高水準となったことを受けて9月利上げへの期待が再び高まった。

7日発表された7月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想をやや下回ったものの、全体的には雇用情勢の回復が続いていることを示す内容となり、9月利上げに対する支援材料となった。ただ、NYダウ平均株価は7営業日連続で下落し、株安を意識してリスク選好的なドル買い・円売りは一服。ドル・円は124円台前半でこの週の取引を終えた。取引レンジは123円80銭-125円07銭。

■ドルはもみあいか、9月利上げの確度を見極める展開

今週のドル・円はもみあいか。米9月利上げ期待が高まっているが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の中立派メンバーの講演や米7月小売売上高などの主要経済指標内容を点検し、9月利上げの可能性を見極める展開となりそうだ。早期利上げに前向きな見解が表明された場合や米経済指標の改善が確認された場合、9月利上げの可能性は一層高まる。ドルが7日の高値125円07銭を上回った場合、ドル・円は年初来高値(125円86銭)を試す可能性がある。

ただし、米国株の軟調地合いが続いた場合、ドルの上値はやや重くなりそうだ。また、発表予定の米経済指標が市場予想を大きく下回った場合、9月利上げ観測はやや後退し、リスク選好的なドル買いは縮小する可能性がある。米長期金利の低下もドル売り材料となる。

【アトランタ連銀ロックハート総裁の講演】(10日)
10日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の中立派とみられる米アトランタ地区連銀のロックハート総裁が講演する。同氏は5日、米紙とのインタービューで、9月の利上げを先延ばしするためには米経済が大幅に悪化する必要があると述べており、9月利上げ期待が一気に高まった。さらに踏み込んだ発言があれば、ドル買いが強まる可能性がある。

【米国経済指標】(13日:7月小売売上高、14日:7月鉱工業生産)
9月利上げへの期待が高まるなか、米経済指標が利上げを後押しできるか注目される。今週は7月小売売上高(13日)、7月鉱工業生産指数(14日)が発表される。5日に発表されたADP雇用統計は予想を下振れたが、7月ISM非製造業景況指数(総合)が10年ぶりの高水準となった。7月雇用統計もおおむね想定通りの内容だったことから、9月利上げ観測は後退しなかった。7月小売売上高などの主要経済指標が予想を上回れば、ドル買いに反応しやすい。

《FA》

 提供:フィスコ

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